

| 福島市のグループホーム「フクチャンち」は、震災や原発事故で避難を余儀なくされた認知症の人を受け入れています。85歳の江井初穂(えねい・はつほ)さんもそのひとり。かつては原発から20キロ圏内に住んでいました。フクチャンちにたどり着くまでの20日余りの苦悩した避難生活を、ご家族が語ってくれました。 |
| 江井さんは64歳の頃に認知症を発症。息子の妻の絹江さんは、地域の人に江井さんが認知症であることを打ち明け、理解してもらうようにしたそうです。「認知症になったとはいえ、大体のことは普通にできる。地域の人に見守られて穏やかに暮らしていました」と絹江さんは振り返ります。 |
| 地震の翌日、絹江さんの実家に緊急避難した江井さんですが、急変した環境に適応できずに混乱し、家人に暴力をふるうようになります。原発事故で先の見えない不安を抱えていた家族も余裕がなく、日々苛立つ江井さんを介護するのは限界に来ていました。 |
| 江井さんと家族はギリギリまで追い詰められましたが、フクチャンちへの入所が決まり、救われたと言います。今は落ち着きを取り戻し、穏やかな日々を送る江井さん。家族はその姿にホッとしながらも、「フクチャンちに入所できたことは有難いが、やはり遠い。できれば近くにこうした施設があって、もっと頻繁に顔を見に行ければ」と話しました。 |

