
3月4日、5日の両日、東京都豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館で「介護予防・認知症予防総合フェア」(介護予防・認知症予防総合フェア実行委員会主催)が開催されました。第2回目の今回は、前年を上回る60以上の企業や団体が出展。認知能力を鍛えるソフトや、身体機能を維持するトレーニングマシンなど、介護や認知症予防に役立つグッズの展示が行われたほか、認知症に対する地域の取り組みなども紹介され、多くの来場者でにぎわいました。

一般来場者の関心をひときわ集めていたのが、東京都老人総合研究所がおススメする「脳に良い料理」の実演コーナーです。会場にはミニキッチンが設けられ、管理栄養士・可野倫子さん(同研究所客員研究員)の指導で、調理と試食が行われました。
メニューは、大豆と新茶を炊き込んだ香ばし茶飯、さばと彩り野菜のカレー炒め、カラフルピッツァの3品(レシピ参照)。βカロテンやビタミンC、ビタミンEをたっぷり含んだ野菜、DHAやEPAが豊富な青背魚など、認知症予防に効果があるとされる食材を中心にしたレシピが用意されました。
可野さんは「脳に良い食材を使うだけでなく、料理をすることで頭や指先のトレーニングをしましょうーという意味もこめられているんです」と話します。
今回は、市販のピザ生地や、さばの水煮缶詰めなどの加工品も利用。最初から全て作ろうとすると大変なうえに失敗も多くなりますが、これなら料理初心者でも気軽に挑戦できます。
「まずは無理のないところから始めて、慣れてきたら次のステップとして、生地も手作りしたり、お魚をおろしたりしてみてもいいでしょう」(可野さん)。
会場には男性の姿も多く、出来上がった料理を試食した参加者からは「簡単だし、自分にもできそう」という声が聞かれました。
さばの彩り野菜のカレー炒め
カラフルピッツァ
香ばし茶飯

高齢者人口が急増している昨今、介護や認知症対策は全国の自治体共通の課題となっています。会場では東京都の各自治体におけるさまざまな取り組みがパネルで展示されました。



自治体における介護や認知症予防対策は住民サービスの一環。そのため、在住者であれば、無料またはわずかな費用負担でサービスを受けることが可能です。自分の住まいのある自治体がどのようなサービスを実施しているのか調べたうえで、必要なサービスを賢く利用するようにしましょう。

今回、医療の分野で認知症患者をサポートする団体や企業も参加しました。そのひとつが医療用漢方製剤を扱うツムラです。最近では、認知症に対する医療用漢方製剤(漢方薬)の効果も報告されており、大きな期待も寄せられています。現在、こうした周辺症状を改善する薬として、抗精神病薬などが用いられています。患者さんを快適な状態にコントロールできればいいのですが、人によっては薬の作用が強すぎて、日常生活動作まで低下させてしまうケースもあることが報告されていました。漢方薬のひとつ「抑肝散」には、日常生活動作を低下させることなく、周辺症状を改善する作用があることがわかっています。ツムラの担当者はこう話します。
「周辺症状の改善は、患者さんに穏やかな生活を取り戻してもらう手助けになるばかりでなく、介護をする人にとっても大きな救いになります。西洋薬と漢方薬それぞれのいいところを生かすことによって、症状をコントロールできるようになってきているのです」
漢方薬は健康保険を使ってお医者さんに処方してもらう身近なお薬。現在、病医院で漢方薬が処方されるケースはかなり増えてきていますが、漢方について十分に周知されているとはいえません。そこで同社のブースでは、漢方・漢方薬を知ってもらうコーナーを設け、ビデオや簡単なクイズ形式でわかりやすく漢方を紹介。多くの来場者が足を止め、説明に聞き入っていました。
「また、高齢者にもうれしいのが漢方薬。高齢になると一人でいくつもの症状や病気を抱え、服用する薬も多くなってしまいがちです。漢方薬は症状ごとではなく患者さんの体質に合わせて処方していくので、ひとつの処方で複数の症状を改善できます。『あまり薬の種類を増やしたくない』という方にも抵抗なく飲んでいただけるでしょう。ツムラは、漢方薬を通して、これからの高齢化社会に向けてみなさまの健康に貢献できればと考えております」と担当者。