体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2015年10月号(423号)

ー お便り紹介 ー

心地よい居場所兵庫県・Bさん 60歳代 女

「ぽ~れぽ~れ」を読むのみの会員です。支部のつどいで教えていただいた若年性認知症のデイサービスに、夫婦で毎週木曜日に通っています。
今のところ休まず通うことができ、 60回になりました。朝の自己紹介に始まり、ストレッチ、ラジオ体操。天気の良い日は近くの公園に出かけ、花見、ボール投げ、テニス等をしています。
午後は、はり絵で大型紙芝居作りや発表する練習をした後、茶話会をしてその日の感想等を語り合います。
また、付き添いの家族は今のところ女性ばかりなので、女子会として楽しみ、情報交換をしています。
夫にとっては、心地よい居場所で、紙芝居で保育園児と交流することを楽しみにしています。私にとっても、心の拠りどころです。

老老介護は難しい…高知県・Cさん 80歳代 女

政府は「老老介護」と声高に言っていますが、介護者も80歳を過ぎれば、病院通いが必要となり介護は難しくなります。
このところ痛切に想います。最近、夫は暴力が出ることもあり、この先どんなことになるのかと心配になります。
デイサービスに初めて行きました。若い人が男女とも働いていて、老人に優しくしてくれるので嬉しくなりました。
お泊まりもできるようになれば、できなかった掃除や片付けをしたいと思っております。
主人にすれば、足りない介護であっても、私の楽しみは何一つできず、洋服1枚デパートに見に行けないでいましたが、これからは予定を立てて、やっていきたいと思っています。
頼りになる国、そして、支援をしてくださる皆様のお蔭と感謝しています。また、紙パンツもかかせなくなりました。2~3割以上の補助をお願いしたいものです。
息子や娘がいても、遠方で働いていては当てにはできません。子どもには親を介護するという気持ちはありません。なんという社会になってしまったのでしょうか。

子どもとの時間を削っての介護香川県・Dさん 40歳代 女

子どもが生まれた頃に母(当時60歳)の認知症がわかり、同時に始まった介護と育児。あっと言う聞の6年間でした。
昨年はレビー小体型認知症の症状である幻視、幻覚、妄想に疲れ、精神的に辛い日々でしたが、現在は薬の調整により、あの頃が嘘のように穏やかな日もあります。
母の介護で、私との時間が削られても、駄々をこねずに我慢してくれた4~5歳の頃の子どもの姿が、母親としてなにより辛かったです。
今、小学生になった子どもは、私の姿を見て、すすんで協力してくれています。

介護生活からお休み中宮城県・Fさん 60歳代 女

介護保険が始まった頃から続いた介護生活でしたが、昨年末に義母が99歳で天寿を全うしました。
初めの頃、認知症を理解できずいろいろ苦しみましたが、その頃に杉山先生の講演を拝聴して、目からウロコの思いでした。
これから、自分が認知症本人になるかもしれないし、夫の介護で介護家族になるかもしれません。
それまで、介護生活からお休みをいただきますが、認知症の人も、家族も、より良い生活を送れるような社会になればいいと思い、私も情報を仕入れ、勉強し、発信していくつもりです。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。