体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2016年8月号(433号)

ー お便り紹介 ー

列車事故の判決について鳥取県・Dさん 40歳代 女

法律の専門家が家族の責任について声高に話すのを見るたびに、何回も差別されている、傷つけられている気持ちになりました。
家族を亡くした悲しみ、二重、三重に社会から責められている苦しさ、判決が出るまでのニュースは切なかったです。高齢化社会がくることは、20~30年前から予測されており、公共機関は安全のための配慮を当然考えているのかと思っていましたが、他人事だったのだな~とふり返りました。

野菜づくりに精を出しています宮城県・Eさん 60歳代 女

夫は農業高校の教師でした。2011年の東日本大震災では、20mの津波に遭遇し、命がけで生徒を守り、ひとりの犠牲者もなく、全員が自力で助かりました。その後、退職し、再雇用として働いていましたが、63歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され、自ら辞職しました。
現在65歳、要介護1の認定をうけていますが、本人がサービスを拒否しています。農家なので、畑があります。夫と二人で2月から種まきを始め、苗を育て、20種類くらいの野菜づくりに精をだしております。これからも野菜を作りながら、共に歩み、共に生きていきたいと心から願っております。

認知症になったのは努力が足りない?山形県・Fさん 40歳代 女

現在78歳、要介護4の母が認知症になったのは75歳の時でした。娘である私は、車で30~40分の所に嫁いでおり、子どもは小学生が2人。家業も忙しいうえに、介護も加わり、目が回りそうでした。今の母は10歳以上年上に見えるほど、老けてしまいました。父と二人暮らしだった頃は、いろいろなトラブルをおこしました。誤りに行ったり、相談したり…。ある時は、病気ではなく、「わざとやっているんじゃないか」と言われたこともありました。「迷惑な人」と思われていたようです。今は父が亡くなって一人になったので、施設に入ることができました。
認知症になったのは、「ならないように努力しなかったから」や、「性格的に困った人だから」と思われることもありました。症状についても、まだ誤解があると思います。「病気であり、症状であり、本人に原因があるのではない」とわかってほしいです。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。