認知症の基礎知識
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認知症を本人に告知すべきか?

伝える内容と、その伝え方が重要。告知後のサポートも大切です。

認知症の確実な治療法がない現状では、認知症であることを告知するかどうかは、
本人や家族にとって非常に難しい問題です。周囲は「あえて不安を与えなくても」「告知しないほうが本人にとって幸せなのではないか」と決めつけてしまいがちですが、告知することで本人がこれからの生き方について考える機会を持つことができますし、本人も家族も先々の準備ができる、本人の協力が得られ希望に沿った治療やケアを行うことができるといったメリットがあります。とくにまだ症状があまり進行していない早い段階で見つかって判断能力が十分にある場合や、年齢が若く子どもがまだ成人していない場合などは、告知のメリットはより大きいと言えるでしょう。近年は病名を正しく伝えることが一般的ですが、伝えた上でどのように支えるかが重要です。もちろん、告知後のサポートが重要です。本人、家族、医師、医療・介護職のチームとして、現状の問題を共有した上で、進行予防や生活支援など、対策を考えるのがよいでしょう。BPSDへの対応や、介護サービスの手配など、現実的な対策は介護者である家族が医師やケアマネジャーらと話をすることが多くなりますが、本人をないがしろにして、家族ばかりで病状説明を受け、サービス調整を行っていると、本人の希望と反する場合があります。本人ができるだけ自分らしい生活を続けられるようには、本人の気持ちに寄り添うことが基本と言えるでしょう。

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