認知症の基礎知識
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家族で介護するときのポイントとは

一人で抱え込まず周囲に助けを求めて

介護は一人で抱え込むとうまくいきません。なるべく多くの人が少しずつ力を出し合って役割を分担し、一人の人に大きな負担がかからないようにすることが大切です。

その一方で、介護にかかわる人たちの意見がバラバラだと、うまくいきません。介護をしていくうえで中心となる人(キーパーソン)を決めることが大切です。キーパーソンは、医師や介護支援専門員(ケアマネジャー)などの窓口となる人で、家族や親戚の意見をとりまとめ、介護の方針を決める際に大きな役割を果たします。

キーパーソンはこれまで妻や娘、息子の妻など女性が務めることが多かったのですが、夫や息子など男性も増えてきました。介護しようとする認知症の人に一番身近で、本人から信頼されている人がキーパーソンになるのが自然です。

介護にはお金も必要になります。介護保険をはじめ、公的助成制度など、さまざまな金銭面の支援制度があるので、お住まいの地域にある地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するといいでしょう。

介護をしている家族の中には、一人で何とかしようと頑張ってしまう人が少なくありません。また、身内に認知症の人がいるということを恥ずかしく感じて、周囲には言いづらいという人もいます。
認知症は決して恥ずかしいことではなく、誰もがかかる可能性がある病気です。
友人や近所の人などに話しておけば、介護や見守りに協力をしてくれることもありますし、介護する人がつらいときは相談相手になってくれることもあります。

また全国各地にある「認知症の人と家族の会」では、認知症の介護経験のある人が電話や面談で相談に応じたり、息抜きの場を提供したりといった活動をしています。上手に利用してください。