ー お便り紹介 ー
逃げたい気持ちをどうしたらいいのか神奈川県・Dさん 60歳代 女
85歳の実母はまだ、自分の事は自分ででき、私は月に2~3度様子を見に行くだけなので、介護の苦しみはまだたいしたことはないだろうと思い、申し訳ないのですが、 でも、最近の母の言動は、私が未成年の頃の、指図と干渉に満ちたものに変わってきて、嫌悪感と戸惑いで、どう気持ちを整理したらよいのか、手がかりがほしいです。弟夫婦が、2世帯住宅で住んでいるのですが、弟夫婦にはきついことを言われ、母の言っていることもどこまでが本心か信じられず、 介護はたいしたことないのに、避けたい、関わりたくない、逃げたいと思ってしまう気持ちをどう納めたらよいのか知りたいです。
義母は私の先生新潟県・Fさん 60歳代 女
義母が亡くなって10年が過ぎました。義母の様子が変だなと感じるようになった平成6年頃、私はまだ会社員だった頃で、リハビリパンツの存在すら知りませんでした。それから時がたち、平成12年には介護の仕事を始めました。介護保険の始まった年でもあります。徐々に悪化していく義母をみていた私は、介護保険制度に助けられ、仕事を辞めずに最後まで義母をみることができました。義母は介護する私にとって先生でした。こんなことしたら嫌がるんだな、こんなことしたら喜んでくれるんだなと身をもって教えてくれました。家族や友人たちも支えてくれての介護生活でした。仕事を続けていく中で、「仕事を辞めないといけないかな」と悩まれている介護家族の話もよく聞きました。私は「仕事辞めないで、介護保険を使って頑張ってみませんか?」と自分自身の体験を話しながら語りかけました。62歳で退職し、介護の仕事はもうこれで終わりだなと決めていましたが、また、縁あってパートで介護の仕事を続けています。動けることはなんて幸せなんだろうと感謝の毎日です。
相談して救われました山梨県・Gさん 50歳代 女
義母を介護して約7年が過ぎました。アルツハイマー型認知症で要介護3です。当初は認知症がよくわからず、何度も説明したり、紙に書いて貼ったりしていましたが、それでも忘れるので困っていました。そんな時に「家族の会」を知り、相談に出かけると、作り話の天才かと思っていたことは、認知症の症状のひとつだとわかりました。普通の会話はスラスラ話せても、今の話になると、作り話が口から出てきます。最初の1~2年、家族はうつになりそうでした。「家族の会」に参加して、否定しないで同調しながら聞き流す事を覚え、義母は時間も季節もわからなくなっていることも理解できました。その後も40年以上前に手放した畑へ行って草取りをしたり、知人のお悔みに連れて行ったのに、1週間後に喪服を着て葬式に行くと騒いでいたこともありました。94歳を迎えますが、足と口はとても達者です。夫が地区の集まりで、母親が認知症であることを話してお願いをしたので、地域の人が目をかけ、声をかけてくれるようになりました。デイから帰ってきて声をかけた時には、怪我をしていましたが、本人はどこでしたのか覚えていません。夏に冷房を入れても、暖房にしてしまったり、暑い日中に出かけようとしたりしました。本人は自分の記憶がおかしいという事を受け入れられずにいます。ひとりでの介護は精神的にも、肉体的にも、金銭的にもとても難しいと思います。「家族の会」やいろんな窓口に相談してみると、何か糸口が見えてくるのでお勧めです。くれぐれも、共倒れにならぬよう、SOSも必要です。