認知症の人と家族の会 会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」 2014年11月号(412号)

ー お便り紹介 ー

苦労の末の母の笑顔に・・・宮城県・Sさん 39歳 女
母の介護をしてきました。多感な10代から20代、30代と今に至るまでの間、他人のようにその時代に沿った楽しいこと、学ぶこともせず、介護していることを「勝手に介護していればぁ?」とけなされてきました。つらかった日々がひと段落し、無事、介護施設に母を入所させてあげることが出来ました。10年苦労させられた年金の手続き書類も、遠方の姉や親族の勝手な判断で持っていかれ、19年もの間、母が何度言っても返してもらえず、東京⇔仙台を何往復したかしれません。苦労の末、今年、やっと年金証書をもらえました。母の寝たきりの状況には涙しますが、母は笑顔が輝いていて、見ていてほっとします。

認知症を知らせるべきか?愛媛県・Nさん 51歳 女
78歳の一人暮らしの母が、今年の夏、夏バテをきっかけに体調を崩し、これまで好きだった料理を全く作らなくなりました。自宅内では歩けますが、気力、体力が低下したため、ゴミ出しは、母の知人やヘルパーさんの手を借りています。買い物もヘルパーさんに頼っています。幻視がひどく、常に誰かに外からのぞかれていると思っていて、風呂も浴室の明かりを消して入っています。私は一人娘で県外在住のため、このまま遠距離介護を続けていけるのか心配です。また、母が日頃お世話になっているタクシー運転手さんや金融機関の人に母が認知症であることを知らせるべきか? これも悩んでいます。

発症以来穏やかで助けられますが・・・奈良県・Iさん 73歳 女
夫、72 歳は前頭側頭型認知症です。発症して8年が経ちます。グループホームに入居して3年が過ぎています。今は話すことも出来なくなり、かろうじて、妻の私をわかっているかのようです。発症以来、穏やかで、いつも機嫌よくしてくれていましたので、介護する私も平静な気持ちでことにあたることが出来ました。子供のように無邪気で無心な夫の様子に接するたび、不憫で悲しく、いたたまれなくなります。なんとか蘇って再び我が家で夫婦水入らずの生活が出来たらどんなに嬉しいことかと果たせぬ想像をしています。