ー お便り紹介 ー
直前の記憶がありません その後東京都・Aさん 男
11月号では、直前の記憶がない妻についての投稿を掲載いただきました。その関連です。直前の記憶がないアルツハイマー型認知症の妻(76歳)とその妹の会話です。妹「最近トイレが近くなって朝まで2〜3回はいくよ、姉ちゃんは?」妻「私は朝までトイレにはいかないよ」実は、前夜に妻がトイレに30回以上行ったという話から妹が試したものです。妻は、頻尿というよりトイレ頻回であって、1〜15分おきにトイレに通うことがあります。そういうときは取りつかれている感じで、日中は散歩に連れ出して気を紛らわせたりしますが、夜間はそれができず、眠りにつくのを待つだけです。泌尿器検査でも問題ありませんでしたので、おそらく、トイレに行ったという記憶がないため、尿意や残尿感がリセットされない状態ではないかと推察しております。ただし、トイレが多かった日は寝不足になるので、翌日は床についてからトイレにも行かず爆睡します。京都本部に電話相談したところ、そういう人は多いということと、その後の経過としてトイレ頻回は収まるとのことでしたが、それは認知症が進んで、自分でトイレに行くことができず、失禁やオムツの世話になると伺いました。逆に考えると「トイレに行く」という意識と行動があるうちは、まだよい方かもしれません。なお、水道代は2〜3年前に比べると1.5倍になりました。
一人で泊まるのか?群馬県・Dさん 女
先日、保育園児の孫がインフルエンザにかかり、私が一日看護に行くことになりました。夫への感染が心配されることと二人の孫を見ながらの介護は大変であることを考え、以前より考えていたショートステイを利用してみることにしました。前日の夜ゆっくりと一晩宿泊してほしい旨を説明した時には「じゃ俺は泊りに行くよ」とは言っていたものの、送っていった時には「俺が一人で泊まるのか?」と不安そうな顔をしていました。実際の様子では自分の部屋という意識はなく、部屋から出て「多分奥様を探していたのだと思います」との職員さんの言われるように、夜中も目覚めると施設内を歩き回っていてあまり眠れなかったようです。報告書には「夜間の俳徊が見られました」との記載がありました。翌日迎えに行くと本当にうれしそうで、夫にとってはつらい体験だったのだなと感じました。
介護者自身も大切に愛知県・Eさん 女
介護中はとても思うことができませんでしたが、介護も私の人生に必要な時間で、時期も私に必要な時期だったと最近思います。「家族の会」でよく伺ったのは「その状態ずっと続かないから」ですが、介護者である私自身、周りも変わっていき、看取りまで、母は生ききってくれたと今は振り返ります。介護保険のサービスなどでは被保険者中心で話が進んでいきがちですが、介護者、その周りの人生もあっての本人の人生ですので介護者ご自身もどうか大切になさってください。