ー お便り紹介 ー
手術で状況が劇的に良くなった母東京都・Aさん 女
おととし70歳台の母が認知症と診断され、私(娘)は別居、父が介護していました。今年の春、母の症状が一気に悪化し、転倒したり、ベッドから起き上がることができなくなり、トイレに間に合わないことも増えていました。その後、自分の名前も書けなくなり、夜中に台所で排泄をすることもあったようです。あまりにも急激な悪化に母が通うデイサービスの方にすすめられ病院を受診すると、正常圧水頭症の疑いを指摘されました。さらに水頭症に詳しい病院で診てもらったところ、「典型的な水頭症」と診断が下りました。その際、2年前認知症と診断した医師が「水頭症の疑いもあるがおそらく違う」と言っていたこと、また水頭症かどうかは検査でわかることも知り、当時、なぜ医師が検査の話だけでもしてくれなかったのかとショックを受けました。手術から5ヶ月が経過し、自分の名前すら書けなくなっていた母は、家族の夕飯を作ったり、一人で出かけたりすることもできるようになったのです。母の場合、3年前水頭症の典型的な症状であるすり足歩行になり、尿失禁、認知機能の低下も見られていました。認知症と似ているため、見つかりづらい病気だそうです。母はアルツハイマー型認知症も併発しているため、いつかまた介護が必要になる日々を迎えることも覚悟していますが、手術によって状況が劇的に変わりました。何よりも母の声が明るくなり、本人も喜んでいることが嬉しいです。
農作業がライフワーク群馬県・Dさん 男
要介護2の87歳の実母は、後天性赤芽球癆(せきがきゅうろう)という血液を造れない難病を抱え、背骨の圧迫骨折が3カ所あって、痛み止めを常用していたところに、新たに認知症が加わりました。このような体調でありながら、ライフワークともいえる農業に従事し、畑に出て野菜を出荷しています。当然動作はにぶく、畑や風呂場で意識を失い倒れることも少なくありませんが、それでも農作業を止めようとしません。本人にやりたいことがあり、それを思い通りにやり通せると、認知症であっても日常生活に支障がでません。トイレ、風呂、食事もほぼ自立できています。その姿には人としての尊厳があり、神々しくもあり、他を寄せ付けない威厳に満ちています。
「絆」の大切さを実感岡山県・Eさん 女
感染症によって世界中の人がこんなに脅かされる時が来るなんて、想像もしていませんでした。人と人とのつながりを、ウイルスによって断ち切られるのは辛いですね。でも今の時代、いろいろな連絡手段があって良かったなと思うことと、「緋」の大切さを実感しています。認知症の人にとっては、何よりも暖かいふれあいが大切なのですが残念です。皆さまのお力、頼りにしています。