認知症の人と家族の会 会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」 2020年8月号(481号)

ー お便り紹介 ー

ボランティアとしてデイサービスに千葉県・Aさん 男
4年程前に父(現在91歳・要介護3)の見守りが必要となり、早期退職し、介護の傍らNPO法人で訪問介護事業の運営に携わっております。毎回会報を読みながら、私の介護経験など遠く及ばない壮絶な現状の中でも、前向きに介護されている会員の皆さまの言葉に励まされています。私のご近所さんで、長らく地域の活動を一緒にやってきた方(男性64歳)が、認知症(要介護1)に診断されたと奥様から聞きました。確かに1年程前から話しをしていても、「なにか会話がかみ合わないな〜」とは思っていましたが、身近な方が認知症と診断されたことに衝撃を受けました。奥様から伺ったところ、本人はこの現実を受け入れていないそうです。「この位の年齢だと、デイは嫌がるでしょう?」と聞いたところ、「ケアマネジャーと相談し、『ボランティアとして来て欲しい』ということにしています」とのこと。もともと、消防団の団長や子供会の会長など、地域活動に積極的に関わっていた方でしたので、「なるほどその手があったか!」と感心した次第です。その方も60歳代中盤で、まだまだ人生が長いですので、私もできる範囲で関わり、寄り添えればと考えています。他地域で実践されていることを少しでも取り入れられればとも思っています。これからも貴重な情報発信をよろしくお願いします。

三密にどう折り合っていくのか福島県・Eさん 男
飛び込んできた「三密」との言葉。密といえば、これまでの私にはタレントの壇蜜さんのことだった。今回の新型コロナウイルス感染防止には身体的距離を空けるのが大切とのこと。『密接』は介護の要。また、『密集』は「家族の会」の要と思う。今後、そのいずれをも変化を迫られるのだろうか。ただ、今はこの事態に、どう折り合っていけばいいのか。

心と心の通いあいを大切に東京都・Gさん 女
要介護5、言葉は時に発するくらいに表現力が低下した大正生まれの母の介護記録に「意思疎通なし」とあった。いわゆるコミュニケーションとしての言葉はないが、私の話しかけに時に嬉しそうにうなずく母に、「意思疎通なし」というのは、キャッチする側にその力がないということだと、強く抗議した。全身で訴えてくる人を全身で受け止める、それは心と心の通いあい、人間の基本である。その人のその心を大切にして介護して欲しいです。コロナ禍の中で、すべてに手のかかる高齢者をケアして下さっている介護者の方々には感謝しきれません。感染したら酸素マスクさえ認知症のある方はつけていられないでしょう。まして、個室での隔離は無理。感染予防につきます。

慢性的な疲れを自覚長野県・Hさん 女
2016年2月80歳代の母を実家から引き取りました。2017年5月「家族の会」に入会、2018年5月には地区会に入会、2019年8月デイサービスを週2回利用開始。今年5月からはデイサービスが週3回になりました。当初とは、比べられないような穏やかな生活を送っていますが、この頃、いわゆる慢性的な介護疲れを自覚するようになりました。特別どこが悪いというわけではないのですが、情緒的に不安定になります。人といるときはいいのですが、ひとりもしくは母と二人だけのときによくそうなります。デイサービスの利用が増えたので落ち着くといいのですが…。