ー お便り紹介 ー
安心して入院できる体制山口県・Aさん 女
認知症を発症しても、天命を最期までまっとうできるような世の中になればいいなと思います。母は87歳です。10年ぐらい前から認知症を発症し、グループホームで9年間、楽しく過ごしていましたが、一昨年より胸水、右大腿骨複雑骨折、肺炎で入退院を繰り返しています。入院中は、点滴を抜くからと40日間手袋をはめられ、拘束されていました。私が行って見守りをしている時だけ、はずされていました。痛々しくて、涙がでました。状況をきちんと把握できず、恐怖を感じていたでしょう。認知症になっても、安心して入院できる体制ができると嬉しいです。
老いるということ熊本県・Eさん 男
母は現在、グループホームにお世話になっています。何事もなく過ごしていた母が認知症になり、衰えいく姿を見ながら、葛藤の末、受け入れるまでに1年ほどかかりました。これまで認知症は、どこか他人事のように思っていましたが、いざ身内に起き、決して他人事ではないのだと感じました。確かに、認知症を患うことは、できれば避けて通りたいと誰もが願うことでしょう。しかし、母を見ていると、老いとは何かを自分の身をもって、子どもである私に教えてくれているのだと、思うようになりました。そして、それは同じ立場で悩んでいる方々への支援の道標にもなりました。
患者さんと母が重なる宮城県・Hさん 女
病院で看護師をしています。年々患者さんの高齢化は著しく、80〜90歳の方が多くなっています。病院は自宅や施設と違い、治療があります。環境が変化し、混乱して大声を出したり、場所や時間がわからなくなる方も少なくありません。安全が優先され、転倒転落防止のため感知センサーを使用したり、ミトンをつけたりなどの対策がとられています。私の母は81歳。認知症になり、要介護4。施設に入居し、6年目となりました。最近、症状が進行し、独語が多くなり、誰もいないのに笑ったり、話したりしています。入院患者さんと母が重なり、本人や家族も辛くて大変だろうなと思っています。安心できる環境にできるよう、無駄に長い入院期間にならないように、認知症の人の家族として、医療者として考えさせられる毎日です。思いやり、敬う心は大切ですね。
今後は施設でなく自宅で!?岡山県・Iさん 女
祖父母の時代に介護保険制度があれば、もっと手厚い介護が受けられたと思います。いい世の中になったと思うとともに、金銭負担は大きく、利用できない人たち、しない人たちが多くいらっしゃるのは、問題だと思います。会報を読ませていただいて、認知症の研究が進んでいるのがわかり、私も含め、一刻も早い成果を望んでいます。私どもが介護者であった時は、施設で看取っていただけましたが、それでもいろいろとありました。認知症、病気、けが…、ご本人、ご家族の負担が少なく過ごせればと思います。今後は、自宅で暮らすようになっていくのでしょうか。