ー お便り紹介 ー
久しぶりの短歌埼玉県・Cさん 男
90歳の妻は、認知症と診断されて3年が過ぎました。長年詠んでいた短歌も作らなくなり、栄養士としての勉強もやめてしまい、機関誌が送られてきても、一瞥するだけでした。過日、新聞で上野千鶴子さんが「壊れた自我の補助具に俳句(短歌)がなるだろうか、認知症俳句があるとしたら読んでみたい」という一文を読んでいたところ、先日私が1時間程買い物に行っている間に、妻が久しぶりに短歌を作りました。常識的にはおかしなところもありますが、これからも続けてほしいと思います。また、認知症研究の一助になるかと思い、披露いたします。 父買い物に行くは 「夜半の三時半」 無事に帰れと ひたすら祈る 父ゆくを 男と言へど じわじわと 寄せくる風音 ころころと聞く
母の変化に戸惑い悩む日々宮城県・Dさん 女
12年前に父が亡くなってから、自宅で一人暮らしを元気にしていた90歳代の実母が、この7月に誤嚥性肺炎で入院しました。約2ヵ月入院しているうちに、驚くほど体力が落ち、認知力が低下してしまいました。葛藤がありましたが、退院後はグループホームに入居しました。しっかりしていた母の変化に戸惑い、悩む日々の中、街頭でリーフレットをいただき、すがる思いで「家族の会」に電話をしました。
社会保障優先の政策を…福岡県・Eさん 女
レビー小体型認知症の夫を介護した経験から、感じたことがあります。介護の社会化をうたってスタートした介護保険がどんどん後退し、負担増と給付制限へと向かう中で、「家族の会」の役割には、政治が社会保障優先の政策に向かうよう働きかけることが、今まで以上に求められると思います。私の経験では、ショートステイをもっと気軽に利用できるようにしてほしいし、安心して頼める受け皿を増やしてほしいです。レスパイト入院というありがたい制度があるのに、3ヵ月以上経っていないと再利用できなくて、その間に私自身が救急車のお世話になる事態となり、とても悲しく、辛い思いをしました。一度共倒れを経験した立場から望むのは、もっと使いやすい制度になってほしいです。医療と介護は切り離せないものなのに、別建てになっていることも問題を孕んでいるように思います。