ー お便り紹介 ー
心に穴があいたよう兵庫県・Aさん 女
2年前に実母を見送りました。27年間二人きりの介護生活でした。91歳の母は、不自由な身体と頭で精いっぱい生きてくれたと思います。そして、いつかは終わる介護ですが、ひとり残されて心に穴があいたようです。自分の時間ができたので、行けなかった「つどい」に参加しましたが、介護を終えて残された者には、居場所のなさを感じてしまいました。認知症の家族を見送ったあとの気持ちを話せる場がほしいと思いました。そう思うのは私だけでしょうか。
もっと学びたい大分県・Dさん 女
80歳代の父は、アルツハイマー型認知症と診断され、10年になります。父の姿から多くのことを学ぶことができました。自宅での介護で感じたことは、病気や症状だけでなく、環境にも左右されることでした。認知症の学習はしてきましたが、まだまだ不足していると思うので、もっと学びたいです。
本人の希望と家族の負担群馬県・Gさん 女
前橋での痛ましい事故、本当に心が痛みます。我が家でも、免許返納の説得はできず、家族が車のカギを取り上げる形になりました。本人の出かけたい希望は減ることはなく、しかし、バス等の利用は認知機能の低下で失敗続き…。「連れて行ってくれ」「その日は無理」というやりとりが繰り返される状況です。悲しい事故は絶対に繰り返されてはならないという思いとともに、本人の希望と家族の負担。どうしたら上手く折り合いがつくのかと悩む日々でもあります。少しずつでも、車がなくても生活に困らないシステムを作っていかなくてはいけませんね。
高齢認知症患者のためのホスピスを三重県・Sさん 男
妻が誤嚥性肺炎で亡くなった。88歳だった。脳血管性認知症で要介護5と認定され、特養で暮らしていた。ところが昨年8月23日早朝、特養から「高熱と呼吸困難で医療センターに緊急入院させた」と連絡があり、急いで駆け付けた。誤嚥性肺炎とのことで1週間後にいったん恢復したので、ゼリー食を摂ると肺炎が再発した。その後病状は一進一退しながらも安定してきて、10月10日に退院を予定されたが、その日の早朝に容態が急変して死去したのだった。医療センターで妻を看取りながら痛感したことがある。昼夜を分かたぬ看護師の皆さんの看護には頭の下がる思いだが、老いた病身の私は狭い病室で落ち着かず疲れた。末期癌患者の安らかな死のためのホスピスがあるように、死期を迎えた高齢の認知症患者にも、ホスピスが救急病院や特養に併設されていたら介護する家族の苦労も軽減されよう。妻が暮らしていた特養で今年度は25名の入居者が亡くなったが、その人たちも妻同様に救急病院で亡くなったのだろう。高齢化が進むにつれ、認知症患者の一層の増加が予測されるだけに、ホスピスを福祉政策の一環として進めることを政府に強く期待したい。