体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2019年2月号(463号)

ー お便り紹介 ー

できるだけ長く元気でいてほしい岩手県・Cさん 女

90歳代の義母は昨年4月に脳梗塞で倒れ、転院先病院のリハビリ科のすすめで介護認定を受けました。入院前とあまり変わらぬ様子で安心していましたが、体力が落ちてきて、リハビリ開始。倒れる前と後での義母の言動から、ずっと前からアルツハイマー型認知症だったのかもしれないと、心が揺れた時期もありましたが、今はできるだけ長く元気でいてほしいと藁にもすがるおもいです。

対応に苦慮しています佐賀県・Dさん 女

70歳代の実母は、平成28年秋にレビー小体型認知症と診断されました。全身不調・幻痛・幻覚・妄想・夜の不眠・日中の強い眠気などに苦しむ母への対応に苦慮しております。同じように、ご家族を介護しておられる皆さまのお声を聞かせていただいて、日々の励みにしたいです。

自分の時間がなくなり辛い新潟県・Eさん 女

現在68歳の夫は、64歳でアルツハイマー型認知症と診断されました。一昨年に初めて受けた介護認定で要介護2と認定され、デイサービスを2ヵ所通いました。いずれも続けられず、今は家にいます。昨年の認定では要介護3に進んでしまいました。
朝食が済むと「どこかへ行こう」と言うので、手早く家事を終え、ドライブ、昼食、買い物をして帰ります。最近は、夕方にまた出かけたがり、歩いたり、車で一緒に出かけます。正直、自分の時間がなくなり、辛くて涙が出ますが、元は優しい夫なので頑張れます。

「家族の会」は後ろ盾京都府・Gさん 男

妻がアルツハイマー型認知症で要介護3です。5年ほど前、外出先でいつの間にか飛び出し、一晩どこにいたのか探してもわからず、翌日夕方、5kmほど離れたところの女性から連絡があり、迎えに行きました。妻が話しかけ、家の電話を教えたようです。その後も2回ほど行方不明となり、警察のお世話になりました。
ケアマネさんと相談し、近くの小規模多機能型施設へ通い、時に宿泊をお願いしています。今は気分も安定し、嫌がらず、陽気に日々過ごしております。
「家族の会」は、認知症介護と社会のあり方に対する後ろ盾です。

ー 私の介護体験談 ー

看取りを終えて「共に過ごした日々は忘れません」岐阜県支部 Y・Hさん

 

私の夫は、平成30年5月3日の連休の真只中に旅立ちました。その日は、「家族の会」のつどいの日でした。医師から「長くはない」とは言われていましたが、毎月、つどいは参加しているので、いつも通りに参加。終了してすぐに病院に駆け付けたら、駐車場に着くや携帯に着信。慌てて病室へ入ると肩であえぎながら息をする状態でした。30分ぐらい経つとそんな症状が治まり、静かになりました。足をマッサージしたり、手を触ったりしながらゆっくりその刻がきました。午後4時8分、静かに永遠の眠りにつきました。享年84歳。私が夫の異変に気付いたのは、平成22年の春ごろ(75歳)、小・中学校の登下校の見守りボランティア、老人会の役員、趣味のカメラもついて行けないと全て辞めてしまいました。

意を決した介護保険申請…要支援1と一番軽い

それまで張り詰めていた感情が一気にプツンと切れ、物忘れ、同じことを何回も言う、聞く、怒りっぽくなり、「変だなあ」と思いつつ半年経過、かかりつけ医が心療内科だったので、思い切って検査を受けたら、アルツハイマー型認知症の初期と診断。ここから私の心の葛藤が始まりました。何回も役所の前まで行ったり来たりしながら1年経過。「このままではいけない」と意を決して介護保険の申請をしても、要支援1と一番軽い。もやもやしながらまた半年経過。本人の症状も進行、もう一度、介護保険申請をしたらやっと要介護1と認定。何とかデイサービスを利用できるかなと思いきや、本人は拒否。
平成24年10月、趣味のカラオケ教室から帰る時、出入口の段差で転倒。左足首骨折し、怪我の功名か、これを機にデイを利用し、要介護2。少し私の気持ちもデイ利用で和らぎましたが、車好きな人だったので、「どのようにして免許返上しようか」と、つどいでも皆さんからの意見をいただき、最終的に近くの甥に譲ることになり、車が車庫にある間、エンジンがかからないように細工したり大変でしたが、なんとかクリアできました。

壮絶な8年間、お疲れさまでした

平成28年秋ごろから食が細り、食べないのに嘔吐、下痢を繰り返し、自分の排泄の感覚もなくなり、排せつ物を手で触るようになりました。年末に入って早朝トイレに行こうとして廊下で転倒。激しく後頭部を打ち、5針縫う怪我をしました。それから一気に下降線を辿り、平成29年に入って入院し、3ヵ月の入院生活をしましたが…大変だったのは私より主人だったのでは?
お疲れさまでした。「共に過ごした日々は決して忘れません」。
壮絶な8年間の介護生活は終わりました。
介護家族の皆さん、いろいろとありがとうございました。主人が逝って8ヵ月経ち、人生100年時代、残された人生どうやって生きたらいいのか!介護生活の経験を活かしてこれからの人生歩むことに…。
「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」と●●ちゃんに叱られそうなので、私なりに前向きに考えて生きていきます。ありがとう!

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。