体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2019年8月号(469号)

ー お便り紹介 ー

返納させてよかった島根県・Bさん 女

高齢ドライバーによる事故が多くなってきているのを目のあたりにして、昨年亡くなった実母のことを思い出しました。認知症の初期のころに、ガソリンがなくなりそうなのに車を運転したり、自分の行くところや帰るべき家がわからなくなったりしていたので、免許証を返納させました。その後、認知症が進んだようでもありましたが、人に危ないことをしたり、物を壊すようなことになる前に返納させて良かったと、今でも思っています。
あやしいと思った時、家の事情があっても、返納という形をとってもらいたいと思います。車というものは使いようによっては、良くも悪くもなりますので、考えてもらいたいと思います。

若年のつどいにまた行きます静岡県・Cさん 女

60歳代の夫は、3年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。 5月の若年のつどいに、本人と妻の私で参加させていただきました。本人は、たくさんの方々と会話させていただけたことを大変喜んでおり、また行きたいとのことでした。介護者の方々からも、たった1日で、有用な情報をたくさんいただくことができました。世話人の活動をされていらっしゃる方々のご苦労には、本当に頭が下がります。

皆さんに助けてもらった群馬県・Eさん 女

夫が逝って丸2年が経ち、先日、命日にお墓参りに行ってきました。子どもがいないので、「ただいま」と言って帰ってくる人は夫だけでした。愛犬は忠犬ハチ公よろしく、まだ車庫の方を見ています。淋しく、泣かない日はありません。「家族の会」に入っていたおかげで、皆さんに助けてもらっての2年でした。良い人たちに出会えたことに感謝です。

胃ろうを決断しました長野県・Gさん 男

妻はアルツハイマー型認知症で要介護4。平成30年12月に骨折で入院治療中に食事を食べられなくなったことから、点滴などで命を繋いでいましたが、その処置にも限りがあるものとわかって、平成31年4月に胃ろう造設を決断いたしました。
妻は生活の全てに介助が必要です。延命治療については決めてありませんでした。言葉を発することができなくても、私のことがわかり、感情表明はできたことから、治療をどのようにするかについて悩み続けました。長年にわたって、老々介護を行っている私にとっては、新たな試練であると思っています。事例などを聞いても、読んでも、迷い続けるばかり。そのうちに、自分自身が疲れや食欲不振、睡眠不足から精神科のお世話になっていました。
そうした中、娘が協力の手を差し伸べてくれるようになりました。感謝、感謝です。妻の介護は続きます。どこまでやればいいのか不安です。泣いても何の結論も得られないのに、また泣く。それにしても、私は弱い人間だな…。明日もまた病院へ見舞いです。マッサージすると妻の表情が豊かになるのが、嬉しいことです。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。