認知症の人はどれくらいいるのですか?

認知症は、決して特別な人だけに起こるものではありません。年齢を重ねていくなかで、誰にでも起こりうる、ごく身近なものだと受け止められるようになってきています。

厚生労働省の推計によると、2020年の時点で、日本では約600万人の65歳以上の人が認知症とされており、その数は今後も増えていくと見込まれています。また、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」と考えられる人も約400万人にのぼり、あわせると高齢者の4人に1人以上が、認知症とともに、あるいはその入口にいることになります。

そして、団塊の世代が75歳を迎える2025年には、認知症のある人は700万人近くに達し、65歳以上の高齢者のおよそ5人に1人になると見込まれています。これらの数字からも、認知症は社会全体で考えていくべき大切なテーマだということがわかります。

なお、認知症は高齢の方に多いものではありますが、若い世代でも発症することがあります。65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」と呼ばれ、働き盛りの40代や50代に多く見られます。このような場合、仕事や家庭、経済的な課題など、年齢特有の悩みを抱えることが多く、よりきめ細やかな支援が求められます。

数字のうえでは「何百万人」という大きな話になりますが、そのひとりひとりに人生があり、家族があり、日々の暮らしがあります。認知症とともにある私たちが、安心して暮らしていけるように。地域や社会の中で、理解と支え合いの輪が広がっていくことが大切です。