「認知症のいちばんの予防策は、認知症になる前に亡くなることです」と、ある専門医は言った。ちょっとブラックだけど真理でもある。ここには、高齢化で誰もが認知症になりうること、そして今のところ確かな予防策はない、という二つの真理が込められているからだ。…
「認知症の施設は大丈夫なのかっ」東日本大震災が起きて放送はすぐさま災害放送に切り替わった。私たち福祉番組班はとりわけ災害時要支援者、災害弱者を対象に情報を集めた。が、あまりの甚大被害に情報が入らない。…
私も参加している「認知症フォーラム」 全国各地で開かれるが、そのフォーラムを担うメンバーはいつも同じだ。自転車操業のようにして、各地に飛んで取材、構成、打ち合わせを繰り返すその仲間を私たちは多少の自負と気取りをないまぜにして「チーム・ディメンシア」と呼ぶ。…
ウーム、深刻この上ない世界経済危機だ。このまま世界は日本はどうなっていくのだろう。私たちの子供達に未来はあるのだろうか。どう目を凝らしてもたちこめる暗雲ばかりで、未来を描くことが出来ない。不安はあちこちに広がる。…
世に「水俣学」というのがある。これは長年にわたって水俣病の被害者と関わって来た医師の原田正純さんの提唱する新しい学問だ。医学など単独の学問だけでは水俣病は解決できなかったという原田さんの痛切な思いから始まった。…
熊本市黒髪にある桜山中学校の文化発表会で講演をして来た。テーマは「認知症になっても大丈夫。そんな町、黒髪を!」というもの。この中学校は日頃から認知症高齢者と交流し、サポート活動を熱心に続けている。…
メディアの仕事をしているものにとって最も手応えを覚えるのは、番組にまるで呼応するかのように世の中が大きく展開していく変化を目の当たりにするときだ。「認知症」のテーマがまさにそうだった。…