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音楽療法のススメ

概要

ー クリップ 1 個人への音楽療法 ー

認知症の予防や進行抑制に効果があるといわれる音楽療法。音楽療法の研究と指導をしている東海大学講師の近藤真由先生が、3回にわたってその手順や効果について解説します。1回目は個人を対象にした音楽療法について事例を交えながら紹介します。69歳の倉重トシノブさんは、6年前に前頭側頭型認知症を発症。発症当初は暴言を吐いたり興奮して暴れたりするなど介護する家族は大変な思いをしていましたが、音楽療法に詳しい心理士の訪問指導を受けるようになってからは、ピアノを弾いたりなじみの歌を口ずさんだりするなど、音楽に絡めたコミュニケーションも楽しめるようになりました。

ー クリップ 2 集団での音楽療法 グループ・セッション ー

音楽療法は集団でも楽しむことができます。福岡・天神で行われているグループセッションの場合、ピアノとピアニカによる軽快な音楽でスタート。続く発声練習では、顔や体をタコのようにくねらせながら、声を出します。歌うときには、歌詞の内容からクイズを出して回想するという工夫も。ひとしきり歌ったあとは、クラシック音楽を聴いて気持ちをリラックスさせ、セッションの終わりにはいつも全員で「ふるさと」を合唱しています。音楽療法は音による刺激だけでなく、笑い、楽しむことが大事。楽しむことで脳が活性化されるばかりでなく、呼吸機能や自律神経もいい状態に保つことができるのです。

ー クリップ 3 家庭で実践! 〜プチ♪音楽療法〜 ー

音楽を使った簡単な頭の体操は、自分たちでもできます。近藤先生が、家庭でも気軽にできる3つの方法を紹介します。一つ目は、「うさぎとかめ」を歌いながら指を1本ずつ折っていく手遊び。続いて、若いころに流行った歌の歌詞を紙に書き出し、隠した部分を当てていくゲームです。昔からなじんだ歌は、紙の上ではなかなか歌詞が出てこなくても、歌っていくと自然に口をついて出てくるものです。3つ目は「音」のリズムに合わせて楽器や手を叩きます。「手を使うことも頭の体操になります」と近藤先生。認知症は記憶することが難しくなってしまう病気ですが、楽しい、嬉しい、といった感情を失ってしまうわけではありません。周囲の人が音楽を通して認知症の人に寄り添うことで、ともに楽しいときを過ごすことができるのです。