

認知症の人は当たり前のことができなくなるため、家族や周囲の人が認知症の人を“何もわかっていない”と決めつけがちです。しかし、認知症の人は直前の記憶を失っているだけで、感情は豊かにあります。褒められれば嬉しいし、叱られれば悔しい。人間なら誰でも持っているこの感情は以前とまったく変わらないのです。介護にあたる家族や周囲の人は、この点を踏まえて上手に接する必要があります。
認知症の人の介護にあたっている人は、つい叱ったり、間違いを正そうと説得したりしがちですが、こうした行為は意味を持ちません。なぜ叱られたのか、なぜ間違っていたのか、その理由をすぐに忘れてしまうからです。その一方で、自分が叱られたのだという屈辱的な感情だけは残ります。何度も叱られたり、注意されたりすると、感情的に反発したり、逆にうつ状態になったりするので注意が必要です。