精神科医の長谷川和夫氏が開発した簡易知能検査。認知症の診断に使われる認知機能テストのひとつ。かつては「長谷川式簡易知能評価スケール」と呼ばれていたが、2004年4月に痴呆症から認知症へ改称されたことに伴い、現在の名称に変更されている。認知症の認知機能テストにはさまざまな方法があるが、日本の医療現場では、長谷川式認知症スケールか、ミニ・メンタルステート試験(MMSE)が使われることが多い。これらはあくまでも「認知症の疑いがあるかどうか」の目安をつける目的のスクリーニング検査となる。
長谷川式認知症スケール(HDS-R)は見当識、記憶など9項目からなり、30点満点で20点以下は認知症の疑いが高まるとされる。HDS-Rは、10~15分程度の短時間で行われるのが特徴であるが、この診断結果はあくまでも参考で、自己採点などで「認知症」と決めつけず、気になる場合は、病院やクリニックなどの医療機関での相談(検査・診断)を推奨する。
医療現場での認知症の総合的な診断は、問診や診察、頭部の画像検査、その他の検査によるものである。
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長谷川式認知症スケール(HDS-R)
はせがわしきにんちしょうすけーる
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長谷川和夫さんが描く「認知症」
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