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シリーズ 漢方を知る vol.2 日本独自の診察技術「腹診」とは

概要

徳島県東洋病院の清水寛医師が漢方の基礎知識をわかりやすく伝える「シリーズ漢方を知る」。第2回は、漢方独自の診察技術「腹診」について解説します。

腹診は、腹部を手で押しながら、皮膚や筋肉の張り具合、硬さ、痛みや不快感などを調べることで、患者の健康状態を診る診察方法です。「四診」と呼ばれる漢方の4つの診察法のうち、「切診」のカテゴリーに分類され、江戸時代から日本独自の発展を遂げてきました。

たとえば「抑肝散(よくかんさん)」は認知症によく使われる漢方薬ですが、患者によっては食欲が低下してしまうことがあり、その見極めに腹診が役立ちます。清水医師は腹診で「胃内停水」という状態が見られたときは、「胃の働きが悪い」と判断。抑肝散ではなく、抑肝散に胃腸に効果のある2つの生薬を加えた「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」という漢方薬を処方しています。

「腹診は高齢者を診る上で重要です。これからはますます高齢者が増えていくので、多くの医師に漢方の基礎理論だけは学んでいただけたらと思っています」(清水医師)(7:45)

【2024年4月4日公開】