認知症では、中核症状とBPSD(行動・心理症状)に対して薬物を用いた治療を行うことがある。
中核症状の治療で主に使われているのは「抗認知症薬」で、認知症を根治させることはできないが、進行を抑えることが期待できる。現在は、1999年に発売された塩酸ドネペジルだけでなく、2011年にはガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの3剤が新たに加わり、4剤が使えるようになった。ただし塩酸ドネぺジルはアルツハイマー病とレビー小体病、後から発売された3剤はアルツハイマー病にしか効果は期待できない。なお血管性認知症には、脳血流改善薬などが使われる。
一方、BPSDには抗不安薬や抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠薬などが使われることがあるが、近年は薬で症状を抑え込むのではなく、環境調整や適切なケアで症状を改善しようという流れに変わっている。こうした流れの中、作用が穏やかで副作用の少ない漢方薬の活用が広がりつつある。
薬物治療
やくぶつちりょう
[ 薬物治療 ] 関連記事一覧
-
長寿の未来フォーラム「認知症のこれから ~本人と家族で考える“幸せ”とは~」
長寿の未来フォーラム「認知症のこれから ~本人と家族で考える“幸せ”とは~」
-
長寿の未来フォーラム 井門ゆかり先生による認知症の基礎知識
2022年3月6日、長寿の未来フォーラム「家族と暮らす〜認知症を“ともに”生きる社会へ〜」が開催され、オンラインで配信されました。
-
認知症フォーラム秋田会場
2014年7月、秋田市文化会館で認知症フォーラムが開催されました。地元で医療、介護、家族、行政の立場で認知症対策に取り組んでいる4名のパネリストが参加。…
-
認知症が治る日
認知症の治療薬開発のニュースは出ては消えている。開発のめどが立った、というものやら、開発の道が拓けたといったニュアンスのものがほとんどである。創薬開発の難しさと巨額のコストもあり、門外漢が期待する「成功!」という見出しはそう簡単に踊るものではないらしい。...
-
認知症の治療法にはどのようなものがある?
現在のところ認知症を完全に治す方法はありませんが、薬物療法やリハビリテーション、適切なケアを行うことによって進行を遅くしたり、症状を軽くしたりできる場合もあります。ある程度進行を遅らせておくことができれば、家族は病状が進行した…
-
アルツハイマー型認知症に使われる薬とは?
認知症にはアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型といったさまざまなタイプがありますが、アルツハイマー型認知症が最も患者数が多く、全体の6割以上を占めています。長年、認知症の治療薬はないとされてきましたが、…
-
認知症における漢方の役割とは
認知症の症状には、誰にでも見られる「中核症状」のほかに、人によって現れ方の違うBPSD(行動・心理症状)があります。BPSDは、お金を取られたと思い込む「もの盗られ妄想」や、あちこち歩き回って帰れなくなる「徘徊」、排泄物をいじる「不潔行為」など…
-
認知症フォーラム奈良会場
2014年9月27日、奈良市のなら100年会館にて認知症フォーラムが開催されました。地域で認知症対策に取り組む3名のパネリストが参加。…
-
認知症フォーラム金沢会場
2014年7月、金沢文化センター(石川県金沢市)で認知症フォーラムが開催されました。医療、介護、家族、行政の立場で認知症対策に取り組んでいる4名のパネリストが参加。…
-
認知症フォーラム宇都宮会場
2013年11月、栃木県総合文化センター(宇都宮市)で認知症フォーラムが開催されました。医療、介護、家族の立場で活躍する4名のパネリストが参加。自己紹介を兼ねて自身と認知症とのかかわりについて語りました。…
-
薬剤師が在宅を支える
急速な高齢化が進む中、施設で暮らす高齢者や在宅の認知症の人の診療に同行したり、服薬指導に出向いたりする「訪問薬剤師」が注目を集めています。専門知識を生かし、地域連携の一員として活動する姿を紹介します。
-
認知症フォーラム高松会場
2013年5月、香川県高松市で認知症フォーラムが開催されました。認知症対策の第一線で活躍する3人のパネリストたちが、医療や介護、家族の立場から認知症とのかかわりについて語りました。…
-
認知症フォーラム浜松会場
2012年9月に静岡県浜松市で開催された「認知症フォーラム」。認知症対策の第一線で活躍する4人のパネリストたちが、医療や介護、家族の立場から認知症とのかかわりについて語りました。
-
認知症フォーラム那覇会場
2012年6月3日、1100人以上の聴講者を集めて那覇市民会館で開催された「認知症フォーラム」の模様を紹介します。3人のパネリストが医療、介護、家族それぞれの立場から、自身と認知症とのかかわりについて語りました。
-
血管性認知症を知る
認知症の中で二番目に多い「血管性認知症」について、秋田県立脳血管研究センターの長田乾さんが解説します。1回目は、血管性認知症の原因や症状を中心に説明します。
-
認知症フォーラム鳥取会場
2012年1月21日、鳥取市民会館で開催された認知症フォーラムの模様を紹介。当日は約800人の聴講者が来場し、出演者の話に熱心に聞き入りました。
-
認知症フォーラム熊本会場
医療や介護の進歩によって、認知症の人や家族を支える様々な手立てが生まれています。その最新情報を発信する認知症フォーラムが2010年12月12日、熊本市のテルサホールで開催されました。
医師・介護者・家族と聴講者が一緒に考えたフォーラムの模様を紹介します。 -
認知症フォーラム鹿児島会場
2011年9月24日、鹿児島市民文化ホールで開催された「認知症フォーラム」の模様を紹介します。医療と介護の進歩は、患者と家族にどのような希望をもたらすのか。各分野の専門家が地域の取り組みや最新情報を発信します。
-
認知症フォーラム山口会場
2011年1月、認知症の最新情報を発信する「認知症フォーラム」が山口市民会館で開催されました。認知症の代表的な症状や最新の治療方法を始め、介護の手立て、本人と家族を支えるための方策など、3名のパネリストが語る内容に900名以上の聴講者が熱心に聞き入ってました。