認知症EYES独自視点のニュース解説とコラム

    成年後見制度見直しと認知症の人・家族

    ニュース解説K.Y

    成年後見制度見直しと認知症の人・家族

    自民・公明両党は、成年後見制度を促進させるために見直しを行う事を議員立法で提出する事を決めた。高齢者が急増する現状を踏まえ、振り込め詐欺等の犯罪が減らない事や、成年後見人になり手がいない現状を解消するのが狙い。

    参照元:日経電子版
    http://style.nikkei.com/article/DGXMZO90358250Q5A810C1NZBP00

    【成年後見制度】

    認知症や精神障害、知的障害で判断能力が低下した人に代わり、法定代理人である成年後見人らが本人の財産管理や施設への入所契約などをして生活を支援する制度。利用するには家族らが家庭裁判所に申し立て、家裁が可否を決める。本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの種類がある。

    詳しくはこちら→認知症の基礎知識「成年後見制度」

    一方で、利用促進よりも抜本的見直しを、とも言われている。
    若年認知症の夫を介護している妻は、本人のより良いケアのために使いたいと考えていた保険金を信託に預ける事によって、自由に使う事が出来ず結果として介護の質を確保出来ないと悩みを話す。司法書士など成年後見になる人が、認知症の介護を充分に理解していない、金銭管理という視点でしか役割を理解していない。実際に介護する家族、親族、介護専門職との齟齬が生まれるケースもある。人材を単に増やすだけでなく、認知症への理解、介護の現状に対する教育機会もあわせて検討してもらいたいと話す。
    更に、認知症の人の判断をどのように捉えて低下しているとするのか?認知症の人が発言する機会が増える中、本人の尊厳や判断能力を一元的に決めてしまう事も課題となっている。

    | 2016.4.19 |

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