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生まれも育ちも福祉‼︎〜認知症の人と家族の会 鈴木森夫新代表に聞く

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概要

ー PART1 〜認知症の人と家族の会 鈴木森夫新代表に聞く〜 ー


2017年6月に公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)の新代表に就任した鈴木森夫さんに、福祉ジャーナリストの町永俊雄さんがお話を伺いました。

鈴木さんは介護家族ではありませんが、医療ソーシャルワーカーとして活動しながら家族の会金沢支部の設立に尽力し、理事も務めてきました。
鈴木さんと福祉とのかかわりは、幼少期から。
父親が愛知県大府市の旧・結核療養所の職員だったため、敷地内の職員宿舎に住み、患者も医者も看護師も身近な存在で、社会福祉はやりがいがある仕事だと体感してきたそうです。

「認知症は今でこそ専門の看護師、介護士もいますが、昔は医療者ですら理解が不十分でした」と鈴木さん。
多くの人に認知症のことを知ってもらい、医療や介護の現実を変えていかなければならないと考えてきました。

「介護家族ではないので代表就任を打診された時は躊躇しましたが、専門職として会を下支えし、発展させていければと考えています」
と力強く話してくれました。(6:43)

 

ー PART2 〜家族は!?当事者発信との狭間で〜 ー


昨今、認知症の当事者が発信できる場面が増えてきている一方で、介護をする家族の思いは置き去りにされがちです。
本人と家族の関係をどうつないでいくのか、「認知症の人と家族の会」代表の鈴木森夫さんに聞きました。

認知症の病状の進行とともに、生活の中で家族が支えなければならない部分が増え、それを家族だけで担おうとすると無理が来ます。
「本人とは別に、家族には家族の人生や思いがあります。家族にも支援の手が差し伸べられなければなりません」と鈴木さんは指摘します。 認知症の人と家族の会では、お互いつらい苦しいことも理解している家族同士が力を合わせるだけでなく、専門職をはじめとする第三者が対等な立場で当事者とご家族を支えることを大事にしてきました。

こうした活動は、当事者や家族自らが、住みやすい世の中にしていこうとする力を身に付けていく「エンパワーメント」につながっているのです。(6:17)

 

ー PART3 〜家族の会の社会的役割〜 ー


「家族は自分だけで全部支えなければいけないと思い込みがちですが、親身になってくれる人を増やすことで、家族の肩の荷を少しおろすことができます」と鈴木さん。
誰もが認知症の当事者にも家族にもなり得る中で、家族ももっと周囲に発信していくことが大事。

一方、2015年に策定された「新オレンジプラン」でも当事者と家族の視点を重視することがうたわれていますが、地域差が出てしまうことも懸念され、全体の底上げが課題となっています。
鈴木さんは「どこに住んでいても多くの有益な情報を共有できるように、横のつながりを強めて風通しを良くすることが大切です」と話しました。(5:25)


【2018年10月19日公開】

出演者

鈴木 森夫(すずき もりお)さん

鈴木 森夫(すずき もりお)さん

公益社団法人認知症の人と家族の会 代表理事

鈴木 森夫(すずき もりお)さん

1952年愛知県大府市生まれ、福井県敦賀市在住。1974年愛知県立大学卒業後、愛知県や石川県内の病院でソーシャルワーカーとして、また介護保険施行後はケアマネジャーとして働く。精神保健福祉士。
1984年「呆け老人をかかえる家族の会」石川県支部結成に参画し、以後事務局⻑、世話人として活動に参加。
2015年「認知症の人と家族の会」理事となり、2017年6月から代表理事に就任。

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町永 俊雄(まちなが としお)さん

町永 俊雄(まちなが としお)さん

福祉ジャーナリスト

町永 俊雄(まちなが としお)さん

1971年NHK入局。「おはようジャーナル」キャスターとして教育、健康、福祉といった生活に関わる情報番組を担当。2004年からは「福祉ネットワーク」キャスターとして、うつ、認知症、自殺対策などの現代の福祉をテーマに、共生社会の在り方をめぐり各地でシンポジウムを開催。現在は、フリーの福祉ジャーナリストとして活動を続けている。

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