認知症は高齢者に多い病気だが、若い世代でも認知症になることがあり、64歳以下の人が認知症と診断された場合を「若年性認知症」と呼ぶ。
わが国の若年性認知症有病率は 18 歳~64 歳人口 10 万人当たり 50.9 人、若年性認知症者の総数は 3.57 万人(日本医療研究開発機構、若年性認知症の調査)で、男性の方が多く、発病年齢の平均は約51歳とされる。
原因疾患別では、アルツハイマー型認知症(52.6%)が最も多く、血管性認知症(17.1%)、 前頭側頭型認知症(9.4%)、頭部外傷による認知症(4.2%)、レビー小体型認知症/パーキンソン病によ る認知症(4.1%)、アルコール関連障害による認知症(2.8%)がそれに続く。
病態は高齢者の認知症とほぼ同じだが、若い世代で発症すると「若い世代なりの問題」が生じることから区別している。たとえばもの忘れをするようになり、仕事や生活に支障をきたすようになっても、「まだ若いからまさか認知症なんて」という思いで発見や受診が遅れ、病院で診察を受けても、うつ病や更年期障害などと間違われることもあり、診断までに時間がかかってしまうケースが少なくない。また現役世代の場合は、子どもにどう伝えるか、就労、介護、生活費や医療費などお金の問題などもあり、より手厚いサポートが必要になる。