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血管性認知症を知る

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概要

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秋田県立脳血管研究センターの長田乾さんが、「血管性認知症」について解説します。血管性認知症は、血管が詰まる脳梗塞、脳の中に出血する脳出血、脳の血管の中にできた動脈瘤が破裂するクモ膜下出血など、脳の血管や血流に起きたさまざまな異常のために認知症の症状が進行していきます。血流障害が起こる場所はまちまちなので、脳全体ではなく調子のいいところと悪いところが出る「まだら惚け」の状態になるほか、元気がなくなってうつのように見えたり、仮性球麻痺や感情がコントロールできなくなる情動失禁などの症状が出たりすることもあります。

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秋田県立脳血管研究センターの長田乾さんによる血管性認知症講座。2回目は予防策や治療法について解説します。 治療は薬物療法が基本ですが、アルツハイマー型認知症の治療に使われるドネぺジルなどは、血管性認知症の中核症状にも効果を示すデータはあるものの、保険適用になっていません。一方、BPSD(周辺症状)の改善には漢方薬の抑肝散のほか、抗てんかん薬、抗精神病薬などが使われています。なお、高齢者の薬物治療では「small:投与する薬の量は少なめに」「short:薬効を短期間で評価すること」「simple:飲み方を簡単にする」という「3つのS」が欠かせません。薬による治療だけでなく、血圧や糖尿病のコントロールを含めた全身管理で脳梗塞や脳出血を予防し、認知症の症状を進行させないようすることも大切です。