クリップ
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Part 1 クリスティーンさんとの出会い
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Part 2 お年寄りの思いに感動する
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Part 3 人生の仕上げを舞う
概要
ー クリップ1 Part1 ー
認知症になった人を支え、ともに生きていくケアを実践してきた人々を紹介する「認知症ケアの来た道」。シリーズ2回目は、出雲市にあるデイケア施設で認知症の人にかかわってきた石橋典子さんです。かつて認知症は「恥ずかしい病気」「何もできなくなる病気」というイメージが強く、精神科で看護師をした経験を持つ石橋さんはかねてからこうした見方に疑問を持ち続けてきました。そんな中、2001年にニュージーランドで開催された国際会議で、アルツハイマー型認知症と診断されたクリスティーン・ブライデンさんと巡り合います。自分の気持ちを主張する彼女の言葉や生き方、夫の彼女へのかかわり方に感銘を受けた石橋さんは、日本の認知症患者にもお手本として見てもらえるよう橋渡しをしてきました。(13:45)
ー クリップ2 Part2 ー
精神科の看護師をしていた石橋典子さんの目を通し、認知症が社会にどう受け止められてきたのかを振り返ります。社会には「認知症を含めた精神疾患は特別な人がかかる病気」という偏見があり、それを作ってしまったのは、周囲の人たちで、精神疾患の患者の声はほとんど社会に届いていません。また医療は認知症の人に対して「家族が困っている問題行動を薬で抑える」という対応をしてきました。しかし実際に石橋さんが認知症になった人を観察してみると、薬で押さえつけようとしなくてもそれほど不自由していないことに気づきます。石橋さんは「本人は惚けてしまったことで自信を喪失し、惚けを怖いと感じる『痴呆恐怖』に怯えている。実は一番よくわかっているのは本人で、一番つらいのも本人です」と話しました。(19:33)
ー クリップ3 Part3 ー
認知症になると記憶力は衰えていくけれど、心も含めその人のすべてが生きています。石橋さんは認知症の人が書いた文章からそのことを実感してきました。とても文章なんか書けないだろうと思うような人が、自分の思いや生きるエネルギーを文章の中で表現してきたといいます。石橋さんは「認知症になるというのも人生を仕上げていく一つのステージ。長寿社会を豊かにしていくためには、お金に依存することなく、与えられた命をしっかり見つめることが大事。それを認知症の人は教えてくれるんです」と話しました。(11:50)
出演者
町永 俊雄(まちなが としお)さん
福祉ジャーナリスト
1971年NHK入局。「おはようジャーナル」キャスターとして教育、健康、福祉といった生活に関わる情報番組を担当。2004年からは「福祉ネットワーク」キャスターとして、うつ、認知症、自殺対策などの現代の福祉をテーマに、共生社会の在り方をめぐり各地でシンポジウムを開催。現在は、フリーの福祉ジャーナリストとして活動を続けている。