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石原美智子さんの目指す介護と教育
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医療と福祉の連携
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ほんものの生きる力
概要
ー クリップ1 石原美智子さんの目指す介護と教育 ー
社会福祉法人サンビレッジ新生苑の取り組みを通して、介護と教育について考えます。
1977年、岐阜県池田町に設立された同法人は、現在、県内で8箇所の施設を運営し、多くの職員が働いています。理事長の石原美智子さんは、施設長として赴任した当初、入所者が長時間オムツをつけたまま寝かされている光景を見て、疑問を感じたといいます。ところが、介護研修先のオーストラリアの施設で経験したのは、寝かせっぱなしにしない、オムツをつけっぱなしにしない介護でした。オーストラリアでの経験から石原さんは、帰国後、職員の教育に力を入れてきました。目指しているのは、「現場の実体験から学びとる介護」です。職種の垣根を越えたチームによる研修のほか、2003年にはNPO法人「校舎のない学校」を設立。学生たちの学びの対象を生活の場へと広げ、現場で感覚的にさまざまなことを体得していけるよう、指導を続けています。(10:24)
ー クリップ2 医療と福祉の連携 ー
認知症の人を支える上で医療と福祉の協力は不可欠ですが、職種ごとの縦社会になっていることが多く、十分な連携ができているとは言えません。サンビレッジ新生苑では、職種間の連携を進めるため、独自の研修を実施しています。研修では、専門職が少人数のチームを作り、往診訪問介護などに参加しながら、実体験を通して学んでいきます。研修生たちは、他職種の仕事ぶりを間近で観察し、その中で自分が感じたことを発表して意見交換を行います。話し合うことにより、利用者本人が何を望み、周囲は何をすればよいのか、次々とアイデアが生まれていきます。
理事長の石原さんは「縦社会の枠を外し、横社会へと広げていくには、自分以外の職種の仕事を理解し、互いに尊敬しあうことが大事です」と、話しています。(10:15)
ー クリップ3 ほんものの生きる力 ー
2003年に設立されたNPO法人「校舎のない学校」では、「自立」をテーマに、介護職を目指す学生にほんものの生きる力を身につけてもらうための活動をしています。
校舎のない学校のワークショップとして実施された、岐阜県揖斐郡の限界集落を訪ねる山村留学の様子を紹介しました。
先生は、かやぶき屋根の住宅に暮らす地元のお年寄りたち。参加した学生たちは、先生の話を聞いたり、一緒に料理をしたり、屋根の雪下ろしをしたりする中で、「自分で考えて行動すること」を学びます。こうした活動を積み重ねていく中で、「何かをしてあげる」というおこがましい態度では、本人の意に添った介護はできないということを、生徒たちは実感していくといいます。(13:02)
【2011年5月26日公開】