体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2017年8月号(445号)

ー お便り紹介 ー

介護している兄家族が心配山形県・Aさん 女

両親は2人暮らしでしたが、2年前に父が他界し、認知症の母がひとり残されました。紆余曲折の末、母はグループホームに入居して穏やかに過ごしております。
入居できたのは良かったのですが、母のため、千葉から山形に一家で引っ越してきた兄家族が苦労しているのが心配です。小学生の姪っ子は学校に馴染めず、兄は仕事を探し、慣れるのも大変で、今では千葉時代の会社から人手不足と頼まれて、東京まで通勤しています。兄嫁さんとその父も体調がすぐれないようで心配しています。
優しい兄と兄嫁なので責任を感じて実家に戻ったのですが、母のために人生を変え、身体も限界のような生活となってしまい、いろいろと考えさせられます。認知症の母は在宅の時はいろいろと大変でした。でも、病気なだけです。私も認知症になったら、子どもたちに大きな苦悩を与えてしまうのではないかと心配です。
今できることは、子どもたちに親のことに過度に責任を感じず、他人の厳しい目をやり過ごして生きなさいと伝えることだと思います。そして、世の中がもっと優しくなるように祈ることです。

トラブルが絶えず…埼玉県・Cさん 女

2〜3年前から母の様子がおかしくなり、物忘れ、物盗られ妄想、怒りっぽくなり、物や父にあたるなど症状があります。昨年秋に医療機関を受診したところ、初期の認知症と診断を受けました。
私自身も書籍などで認知症の基礎知識については勉強をしているところですが、家庭では毎日のように家族間でのトラブルが絶えず、どのように母に対応すればよいのか途方に暮れております。
「家族の会」を通して、認知症に詳しい方や、同じように認知症の家族を介護している方たちと情報共有をし、少しでも現状より良い方向で家族が前に進むことができたらと考えています。

電話相談で勇気をもらった大分県・Eさん 女

私のうっかりで、ケアマネージャーに言われるがまま、母を介護施設へ入所させてしまいました。あっという間に薬漬けになった認知症の母。どうにかしたいと思い、「認知症の電話相談」に電話をしました。母を施設へ入所させたことで気持ちがボロボロになっていた私は、この電話で勇気をもらい、不安が解消されました。

やさしくなるには…宮城県・Fさん 女

70歳代の母は、老人ホームに入所して4年が経過しました。少しずつ進行しているのがわかります。娘や孫の名前も忘れるこの頃です。最近、孫の結婚式のため、一緒に横浜まで行き、2泊してきました。新幹線の乗り換えやなれない環境で戸惑うこともありましたが、無事に帰ってきました。やさしく見守ることができるようになるには、時間と周りの支えが必要だと実感しています。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。