体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2020年7月号(480号)

ー お便り紹介 ー

コロナでも工夫してデイサービス利用を…北海道・Bさん 女

長い年月会員ですが、総会には出席したことがありません。昨年総会に出席した仲間の話しを聞いて、今年は是非6月に京都へと計画していました。早めに旅行券を用意しようと考えて(格安航空券の手配など)いましたが、コロナ騒ぎで残念ですが行くのを諦めました。年齢のことを考えると、来年はどうかな?と不安になりますが、何とか命をつないで、元気でいて、出席できれば嬉しいです。
会員さんからの相談で、ご主人が若年認知症で身体は元気。今まで週3回デイサービスに行っていました。2月末からマスクが義務づけられましたが、どうしても嫌がってつけてくれません。デイサービスセンターから「マスク着用出来なければ、お休みして下さい」と言われ、在宅になりました。「もっと工夫してデイの利用につないでほしいです」と言われていました。何とかならないでしょうか?介護事業所職員が認知症の人に向き合う姿勢が問われますね。コロナ対策で大変なのは分かるのですが、それよりもひとりひとりの認知症の人を大事にして欲しいと思いました。個別対応の充実を望みます。 困難ケースほど課題解決に取り組んでほしいです。もっとも職員不足で「誰でもどうぞ」と募集に書いてあるようでは…。介護報酬のアップと質の向上を要望します。各地から熱い声になって世の中を動かしたいですね。

雲の中を突き進んでいかなければ青森県・Cさん 男

妻が全く無縁と思っていた認知症と告げられ早2年余りが経ちましたが、今もって受け入れられない時があります。多くの持病があり、年齢的にも若く、病状は進行していく毎日。もちろん治らない病と知りながらも、進行を遅らせる薬も服用しているけれど、本当に効き目はあるのかと疑問さえわいてくる。少しずつ崩れていく今をどうしていいのか…、たまらない。本人にとって何が幸せなのか聞くが、答えは返ってこない。
掃除、洗濯、三度の食事、服の着せ替え、特に下着は身につまされる。自分の事も後回しになって、老体にむち打って優先する。一般的に言われる「ひとりで悩まないで…」の言葉も気休めにしか聞こえない時も…。少々の地震では起きなかった自分も夜中「コトン」との音で目が覚める。思い切り布団を被ることもある。昨春から週1回のデイサービス、今年からは週3回になったが、いない時でも心は休まらない。できるだけ面白可笑しく冗談で付き合うと笑顔が見られるので嬉しい。
でも、ひとつだけ救われるのは、車で出かけるときは一番楽しそう。買い物、公園、おにぎり持って海へ…。今は移動自粛でままならない。計画、予定がたたない中、もし自分
が倒れたらと思うとすごく不安な毎日。親の介護、子どもの介護、配偶者の介護と立場は違うだろうけど、仲が良くも悪くもなく、何十年と連れ添った妻の変わっていく姿がなかなか受け止められない。前向き思考でと心に言い聞かせて、雲の中を突き進んでいかなければと。

ウェブでの面会も順番待ち埼玉県・Eさん 男

妻が若年性認知症でもう6年入院しています。今はコロナのため面会ができません。ウェブでの面会ができるようになりましたが、人数が多いため順番が回ってきません。コロ
ナは怖いですが、一度退院をしてデイサービスにしようか考えています。会社では介護の方を優先するので、パワハラにあっています。幹部から「コロナより仕事しろ」と言われています。介護が大変なことがわからない人間がいるのが困る世界ですね。

運動不足解消のために神奈川県・Fさん 女

誰も経験したことのないコロナウイルスにただ驚くばかり。すぐ元に戻るだろうと考えていたが、学校閉鎖、外出制限、マスク着用等々、嫌でも緊張が高まる。楽しかった買い物も足早に済ませ、誰とも顔を合わせることなく終わる。今は、運動不足から寝たきりにならぬよう、近所の花見にでかけたり、日頃サボっていた片付けをして過ごしている。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。