体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2021年1月号(486号)

ー お便り紹介 ー

母のことを理解したい千葉県・Bさん 女

介護士をしています。80歳台の母は1年前にアルツハイマー型認知症と診断され、要介護3です。平日はヘルパーさんに来てもらいながら、土曜日は私が母の所に行っています。兄との介護に関する温度差、変わっていく母との接し方に日々苦しみながらでしたが、認知症の集まりや講習会に参加させてもらい、気持ちが落ち着きました。少しでも母のことを理解していきたいと思っています。

施設入居の夫を思って…愛知県・Cさん 女

夫は75歳、要介護5、特養に入居して3年になります。病状が進み、歩くことも難しくなり、ほとんど寝ているようです。食べることもうまくできないため介助が必要と思い、夕食を食べさせるために、毎日通っていました。施設の介護士の人数不足を毎日目の当たりにして心が痛みます。自分の歯ですので、口の中のケアを要望していますが、実現していません。今はコロナ感染拡大のため、面会できません。ご飯を十分食べているか、口の清掃してもらっているか、起きているのかな…と気にかけつつ、面会できる日を心待ちにしています。私のことはもうわからなくなっていますが…。特養に入居できたおかげで自分の時間ができたので、精いっぱい、庭いじり、散歩、勉強等々して動いています。

人に頼ることも必要群馬県・Fさん 女

デイサービスを利用していた奥様はアルツハイマー型認知症で、ご主人様が介護されていました。おふたりとも再婚同士で、老後をのんびりしたいと当地へ来られたそうです。
ご主人様は自分で妻をサポートしたい、人に迷惑をかけられないと、ケアマネジャーからのショートステイ利用の勧めを拒否する一方、手をあげたくなるような状況が見られました。そんな時に、ご主人様が急病で入院となりました。その入院という生活の中で、人に頼ることも必要、自分も元気でいなければと、少し広い視野で介護をとらえる時間が持てたそうです。
私たちに何ができるのかを考えさせられます。今は、ご主人様ははつらつと自分の生活と面会とで充実しているようです。

無責任な非難・批判がなくなりますように…福島県・Hさん 女

介護が終わって10年になります。会員を継続しているのは、ひとえに認知症の啓蒙活動に取り組んできた方々への感謝の思いが強いことと、「家族の会」の活動が会費によって支えられていると知ったからです。2001年8月に父が亡くなった頃、認知症は全国で150万人、ピーク時には300万人に達すると言われていました。しかし、2012年時点で462万人、2025年には700万人になると言われるようになりました。私が体験してきた偏見を考えると、多くの家族が隠してきたことも領けます。
認知症の人もそれぞれ、家族の事情や条件もそれぞれです。認知症の人にとっては、看取りまで寄り添ってくれる家族がいれば幸せだと言えます。たとえ、通いの介護、預ける介護、施設介護になったとしても。
介護を経験した人にしかわからないことがたくさんあります。介護だけで大きなストレスを抱えている介護家族への無責任な非難、批判がなくなりますように!
新型コロナ感染症で更に大きなストレスがかかっているでしょう。早く収束しますように。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。