体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2022年4月号(501号)

ー お便り紹介 ー

追いつめられてた埼玉県・Aさん 女

80歳台、要介護1の実母を同居で看ております。今年に入ってから急激に認知症が進んだようになり、追いつめられてきた時に「家族の会」を知りました。事前に会報を送って頂き、皆様の生の声を読むことで少し気持ちが落ち着き、入会を決めました。今は介護区分変更申請中で、多分要介護度は上がると思います。息切れしないように過ごしていきたいと思っております。

介護されている方へ愛知県・Bさん 女

母の見送り後、母は本当に頑張って生きてくれたことを感じられるようになり、また、自分もその時その時真剣に向き合い、一緒にその時間を生きたんだなあと思うことができるようになりました。それは、悩んだり悔やんだりした時間を経て、思い至ったのだとも思います。今の苦しく、歯がゆい時間も一生続くわけではないと思うので、その時その時の自分を受け止めながら今を乗り切っていただけたらと思います。

こんなことが起きました!石川県・Cさん 女

同居している義母(80歳台)は認知症と診断されて11年がたちます。最初は物盗られ妄想、嫉妬妄想、そして「かまっていらん」の連発。デイサービスにもなかなか行かない大変な時期がありました。
近年は、週5日のデイサービスと月1回の2泊3日のショートステイを利用して穏やかに過ごすことができていました。ところが昨年8月、私事で2週間のショートステイを利用したところ、帰宅した母は無表情で元気がなく、食べることも箸を持つことも忘れたかのような状態で、促すと「いらない」「お腹すいていない」と拒否。鼻水も出ていないのに30秒ごとに鼻をかむチック症状が現れ、トイレにも行かず寝てばかり、紙パンツは大量失禁。大好きなおやつやみかんも食べず、2週間のショートステイでここまで機能が低下するのかと心配と責任を感じ、心苦しい思いでした。
徐々に元気を取り戻していましたが、食欲がないことから消化器内科で検査を受けての結果、卵巣に大きな腫瘍があることがわかりました。高齢·認知症ということで多くのリスクの心配もありましたが、術後4日間で元気に退院しました。これからのことはまだわかりませんが、自然に任せ、義母の生活に寄り添っていこうと思う今日この頃です。

逃げたいけど…京都府・Eさん 女

父は10年前からアルコール依存症で通院中(断酒中)。ここ数年物忘れや理解力の低下があり、母も同じ状態です。私は毎日半時間かけて実家に通い、身の回りのサポートをしています。二人とも公的なサポートを受けたがりません。先日、母が初めてデイサービスに体験に行きましたが、「行きたくない!なぜ行かなくてはならない?厄介払いされている」などなど文句を言われ、精神的に疲弊しています。何事も頑張ってしまう性格の私は、ケアマネジャーや担当医に頑張り過ぎと忠告を受けています。逃げたいけど、逃げられません。

ー 私の介護体験談 ー

介護生活 〜義母を介護して8年目〜福井県支部 60歳代

介護のはじまり

同居している義母が認知症と診断され、薬を飲み始めて8年目になります。
最初は、何かおかしいな?という感じで、その頃は認知症についてあまり知識がなかったので、自分自身の勘違いかな…ぐらいに思っていました。
その後、たまたま一緒に病院に行った際、受診することができて、認知症と言われたのです。そう言われても、義母は上手く話を合わせるので、少し会話をしただけでは分かりません。他の人から「あんたんとこのおばさんは、まだまだ何ともないわ」と言われて、その言葉が当時の私には、とてもストレスになっていました。相談するところも分からず、周りの人はどうやってうまく介護保険制度等を利用しているのか分かりませんでした。

身近な「参考書」との出会い

そんな時、新聞のお知らせ欄に3回シリーズで介護の講座があることを知り、すぐに申し込んで参加しました。
初めての場所だったにもかかわらず、皆さんが初対面の感じがしなくてあたたかく、居心地が良いな〜と思いました。その講座が終わった後、認知症の人と家族の会というのがあり、その中で「つどい」という交流会が開かれていることを知り、参加させてもらうようになりました。
「つどい」ではミ二講座や交流会があり、毎回皆さんの体験談や自分がどうしていいか分からないこと等を訊くことができ、私にとっては、身近な参考書のような感じでした。

我が家なりの介護

私一人では義母の介護にも限界があると思うのですが、デイサービスにお世話になりながら、私のできないところは主人が対応してくれたり、同居している子供も協力してくれます。時にはその日にあったことを話し合いながら、話しているうちにその内容が笑い話になったりと、家の中では家族みんなでできることをやり、何とか過ごせている感じがします。
時々、丸く小さくなった義母の後ろ姿を見ると、もっと優しく接してあげないといけないと思うのですが、毎回、毎回同じことを繰り返されるとだんだんイラッとしてしまい、そうなる自分がイヤだな〜と、落ち込んでしまいます。介護は子育てと違って先が見えず、個々人でいろんな症状があり、少しずつ進行していくものだと思います。
これからも「つどい」でのいろいろな情報や周りの人の話を参考にしながら在宅介護の中に取り入れ、我が家なりの介護をやっていこうと思っています。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。