体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2022年7月号(504号)

ー お便り紹介 ー

施設でケアマネとして勤務岡山県・Bさん

コロナ禍、目に見えないものへの不安の中、毎月届けられる会報はありがたいです。読ませてもらって、私もがんばらねばと思わせてくれています。
私ごとで言えば、施設のケアマネとして勤務していますが、施設側からコロナ感染しないための制限で、岡山市にもあまり行けていません。外食もせず、家でも孤食生活。家族がいるので、マスクをはずせるのは、風呂、食事くらいとなっています。
利用者とかかわる前後は、消毒はあたり前で、接触もできるだけしないようにとなっている毎日。一日も早くコロナが終息して、利用者と気兼ねなく散歩がしたいと思っています。利用者はマスクをしていないのですが、気にせず過ごせる日々を目指してかかわっていきます。

どんな工夫や努力を…?群馬県・Eさん 女

ケアマネさんや皆さんからのアドバイスを受け、半日型のデイサービスを1日型にしました。夫が出かけると、肩の荷がスーッと軽くなったようです。また、施設でいろいろなゲームもしてくださったり、美味しい昼食がいただけたりと、いいこともいろいろあるようです。
反面、急に症状が出てきました。衣類を選ぶことができなくなったり、説明が分からなくなったり…。診断を受けて6年、そろそろかなーと思い、“優しく”と思って行動したり、なるべく指示的にならないように行動しようかと思ったりしていますが、疲れてしまいます。
皆さん。どのような工夫や努力をされているのかなーと思っています。

母と一緒に暮らさない選択滋賀県・Fさん 女

母は父と二人で自宅暮らしをしていました。父は脳梗塞で左半身麻痺、狭心症、正常圧水頭症もありましたが、認知症の母に指示をするというスタイルで生活が成り立っていました。半年前に父が倒れ、意識不明で入院中。母にはグループホームに入ってもらいました。それまでのデイサービス、ケアマネさん、ヘルパーさん、マッサージ屋さん、介護弁当屋さん、内科の先生、皆さんとのお別れ。母と一緒に暮らさない選択をした自分。辛く、情けなく、母には申し訳ない気持ちでいっぱいです。父のこと、母のこと、実家の管理、役所へ連絡や申請、施設への支払いや連絡など、やらなければならないこともたくさんあり、心身ともに疲れています。この状況から解放される日が来ないこともわかっていて…。自分の気持ちが少しでも良い方向に向かうようにと思い、「家族の会」に入会します。

ー 私の介護体験談 ー

愛おしい主人と、いつまでも仲良く広島県支部 60歳代

退職後の主人の変化

主人は現役時代から晩酌をしていました。7年前にリタイアしてから、一日中テレビを見て過ごすようになり、酒量も増えました。酔うと転んだり、トイレが間に合わないことが何度かありましたが、本人は覚えていません。アルコール依存の会にも行きましたが、結局本人がお酒をやめる意思がないので、断酒の会にも病院にも行けませんでした。その内、「死にたい。殺してくれ」と言うようになりました。
主人の兄に協力してもらって、やっと脳の検査を受けました。アルコールによる脳の萎縮があるとのこと。認知機能テストはぎりぎりセーフでした。数ヶ月通院したある日、物忘れ外来のある病院を紹介してもらいました。その時の認知機能はかなり低下していました。今の状態ではアルコールの害について学習することも無理だからと、薬で減らすことになりました。
今までできていたことができなくなり、いらいらして私に当たったりするので、どう対応したらいいのか悩みました。そんな時、広島市のホームページで認知症の人と家族の会があることを知りました。早速連絡すると「是非いらっしゃい」と言ってもらい、参加させていただきました。皆様の体験談やアドバイスをいただき、私の思いも聴いてもらい、気持ちが軽くなりました。一人で抱え込まないことが大事なんですね。

介護者のケアも大事と言われ

ある日、お酒が足りないと私に手を上げ、首を絞めました。すぐに手を離してくれましたがショックでした。先生に相談をしたら、本人はもちろん、私のケアも大事だからと訪問看護をすすめてくださり、自立支援医療費制度も教えてくださいました。アルコール依存、認知症、うつ病など精神科の治療は長引くし、費用も掛かるので早速診断書をもらって区役所に申請をしました。物忘れ外来の受診、お薬、訪問看護の医療費が軽減されました。
男性看護師さんが週2回家に来てくださり、体調チェックをして、主人と話をしたり、体操をしたり、私の愚痴も聴いてくださいます。ある日、散歩に連れ出してくださいました。ほとんど外出しなかったのですが、それをきっかけに今では兄夫婦と4人で毎日歩いています。
皆様のお陰で穏やかな毎日です。昔は「黙ってオレについて来い!!」タイプでしたが、今はすっかり私に頼っています。
とても愛おしく思い、今の日々が続くことを願っております。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。