体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2022年8月号(505号)

ー お便り紹介 ー

診断直後に相談先がわかり救われました岡山県・Bさん 男

妻が定年退職間近の時、認知症ではないかと職場から言われて受診しました。その結果、アルツハイマー型認知症の診断を受け、妻はもちろん、私もショックでした。病名を告げられ妻と一緒に落ち込んでいた時、診察室にいた看護師さんが「これからのことをアドバイスしてくれる所がありますよ」と言って、連絡先が書いてあるチラシを渡してくれました。
1週間程は、妻も私も何もする気になれませんでしたが看護師さんが教えてくれた所に電話をしてみました。そこは「若年性認知症支援センター」という所でした。「これから長いお付き合いになりますので、その都度一緒に考えていきましょう」と言われた言葉は、今でも忘れられません。電話をした数日後に、センターから2名で我が家に来てくれました。私達の今までのこと、心配ごと、これからの希望等を聴いてくれた後、必要な手続きの内容と窓口、生活で気をつけること等を具体的に教えてくれました。
今では、若年性認知症の本人と家族が参加できる「ひまわりの会」にも夫婦で参加をして、家族同士のつながりもできました。センターは、今では、どの県にもあるようですので、一度連絡をしてつながっておくことをお勧めします。

死ぬまで女性として…東京都・Cさん 女

母(86歳)はコロナ前からグループホームでお世話になっています。まだしっかりしており、お風呂は女性職員の介助でないと入りませんでした。他の方が男性職員に入れてもらっているのを見て「私がわからない状態になっても、絶対に男の人に入れてもらうのはイヤ!ちゃんと施設の人に言ってね!」と私は頼まれていました。コロナも終わりに近づく今、母は男性職員の介助でも「ハイ、ハイ」とお風呂に入ることがあるようです。母の気持ちは自分のこととして考えても、よくわかるので、施設に女性職員の介助にしてほしいとしつこく言っていますが、皆さんはどう思われますか?
私は女性として生まれたら、死ぬまで女性として大切に生きたいと思うので、高齢になった時に、人手がないからという理由で、男性にお風呂やトイレの介助をしてもらうことは考えられません。

行方不明者の年金宮城県・Dさん 女

7年前アルツハイマー型認知症と診断された81歳の夫が行方不明になり、5ヵ月になります。すぐ年金事務所に行き、行方不明届けを提出しました。2月の年金は受け取りましたが、4月分からはストップされ、手元のお金で暮らしています。
行方不明になった時、すぐ110番し、3日間捜索していただきました。3日目に家族に話があると言われ、息子夫婦と私が聞かされたのは、見つからなかった場合、7年経たないと死亡証明書は出ないということでした。
毎年行方不明になる人が全国で3万人いるとテレビで聞いています。その中には、私のように通帳に少ない金額しかない人もおられると思います。どうにか暮らしていますが、年金は老後の生活に使うためのものです。それがストップすると今後が不安でたまりません。

なってからが勝負愛知県・Eさん 女

1月に「家族の会」に入会させていただき、皆さまの意見、介護の知恵など読ませていただき、私だけじゃないんだと少し楽になっています。
昨年の7月義母(96歳)がグループホームに入居し、ほっとする間がなく、主人の様子がおかしいと気づき、認知症の検査を受けました。診断の結果、思いもよらない診断名(アルツハイマー型認知症)に、主人(74歳)も私もいまだに受け入れられない状態です。
色々と交流会もあるみたいで、参加したいと思っていますが、主人がイライラや不安が強く、なかなか外出できないのが、今の私のストレスです。「家族の会」の会報を読むのが楽しみです。「なったら終わり」ではなく「なってからが勝負」、夫婦で笑顔で過ごせるよう頑張ります。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。