体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2022年12月号(509号)

ー お便り紹介 ー

診断から早や10年神奈川県・Bさん 女

友人のケアマネジャーから「家族の会」の存在を教えていただきました。90歳台の実母の認知症診断から早や10年以上経ちます。2年前からようやくデイサービスにも行ってくれるようになり、その他のサービスにもつながることができるようになりました。それまでがとても長かったように思います。近所には母と同じ世代の方々がたくさんおります。その方やご家族にもこの会の存在をもっと知っていただけるようにしたいと思います。

私の8050問題新潟県・Eさん 女

私は一人で両親の介護を25年くらいしてて、5年前に父が肺炎で亡くなり、今は要介護5の母を在宅で介護していて、母に振り込まれる遺族年金で暮らしています。母が特養に入居したり、死後は収入がなくなるため、私自身の生活が困窮するなって思っていた矢先、新聞で引きこもりの特集をやっていて、感想を手紙にして出したところ、取材されました。記者さんに、母の死後収入がなくなり生活が行き詰まることを、どこに相談したらいいか聞いたところ、社会福祉協議会に相談することを勧められました。ケアマネジャーが訪問して、引きこもりの子どもが見つかる場合もあると思います。私は幼い頃からずっとイジメにあって、仕事も長く続かず、在宅介護をきっかけに引きこもりです。8050問題を「家族の会」でも調べて声をあげてもらいたいと思っています。

笑顔で生き生きと付き合っていってほしい愛知県・Fさん 女

「自分らしく、住み慣れた地域で暮らしていくには、どのように過ごし、年を重ねればよいのか」について長年学習してきたグループのメンバーの一人がアルツハイマー型認知症と診断されました。今まで通り引き続きメンバーでいたいと本人の申し出で、体調に合わせて参加してもらっています。しかし、出かけて参加するのは疲れるからと、夫からやめるように言われているとのこと。自分の想い、気持ちを夫に話したくても、上手に伝えられず、もういいか…とあきらめてしまうそう。ご主人と二人暮らしで、夫から避けられているようで、淋しいとも。
通い始めたデイサービスもどの人も表情が乏しく、ボーっとしていると話してくれました。彼女らしい姿で過ごせるデイは必ず見つかるからケアマネさんに相談してねと伝えたら、社交ダンスのアクティビティのデイが見つかったそうです。感謝です。笑顔で生き生きと認知症と付き合っていってほしいです。

まずは私から…東京都・Gさん 女

50歳台の夫はまだ病気を受け入れるに至っていません。現在は休職中です。若年性のため、サポートを受ける方法や日中の過ごし方、家族としてどう関わっていけばいいのかわからず、近くに頼れるところがないことが不安です。まずは私だけでも、同じ病気の皆さまやご家族とつながりたいと思います。実母も認知症で、都内で一人暮らしのため、世話をしに通っています。

ー 私の介護体験談 ー

私の介護生活福井県支部 60歳代

退職後の夫の変化

今年の3月に夫が定年になり、要介護4の義母の介護がだいぶ楽になりました。私は60歳になりましたが、仕事を続けており、義母は、週6回デイサービスに通っています。以前から、夫に「自分の母親なので、介護を手伝ってほしい」と言っていましたが、「自分は絶対オムツ交換はできない」と言って、介護のことはほとんど手伝ってくれませんでした。
しかし、最近は、限度額オーバーで平日にデイサービスをお休みして家にいる日には、昼食を用意してくれ、義母が完食をするのをとても楽しみにしています。自家製のトマトもきちんと皮をむいてあげて、お皿に何一つ残っていないと、良かったと喜んでいます。また、お嫁さんに赤ちゃんが生まれ、みんながそれぞれに忙しいこともあり、夕食後は茶碗洗いもしてくれています。
子どもが結婚する前は、私がご飯の用意をして、犬の散歩から帰ってくると、茶碗などが洗い場に山積みになっていましたが、今はきちんと洗ってくれているので本当に助かっています。夫は介護や家事などをほとんど手伝ってくれないとあきらめていましたが、やってみると私よりも完璧にしてくれています。
家事を手伝ってくれるだけで、私の疲れがたまりにくくなり、義母の介護への負担が少なくなり、自然と義母にも優しく接することができるようになった気がします。私が疲れていると、声掛け一つも暗い声になりがちで、義母の声も幾分暗い声になり不機嫌になるような気がします。明るい気分で、ご飯やお薬を用意したり、オムツ交換をすると義母の声も幾分明るくなり、感謝の声をいただくことが多いように感じます。

介護も私の人生の一部分

病院への受診も、以前は介護タクシーを使わなくてはいけないと思い、なかなか予約が取りにくかったのですが、この調子ならば、義母を私の車に乗せて行けるのではないかと思い、容易に受診に行くことができるようになりました。介護をするには、いろいろ手伝ってくれる人がいることは本当に必要だと思います。今後も、一人で抱え込まずに、周りの人とともに義母を支えられたら良いと思います。
私自身が、義母にしていることは本当に少なくて、洗濯や、掃除、毎週のシーツや布団の洗濯、掃除、ごはんごしらえ、薬の管理、オムツ交換、デイの準備だけなので、大したことはしていないと考えています。
私にとっての義母の介護も私の人生においての一部分でしかないと思っています。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。