体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2023年6月号(515号)

ー お便り紹介 ー

心の支えです岐阜県・Bさん 女

70歳台の実母は2年前にアルツハイマー型認知症と診断されました。岐阜県支部の世話人さんや電話相談で大変お世話になっております。今こうして無事に前向きに過ごしていられるのは、ひとえに皆さまのおかげです。
兄弟も身内も頼れる人がなく、もちろん介護の経験もなく、相談もできずボロボロだった私を全て受け止めてくださったのが、皆さまでした。今でも頼らせていただいております。私の心の支えです。
電話相談の際いただいたアドバイスで、母の引っ越し、妄想トラブル、訪問看護に繋げることが無事すみました。それでも、何かあるとすぐに悩んでしまうのが、私の悩みです。

気持ちを整理していきたい群馬県・Dさん 男

認知症を患う実父と高齢の祖母を世話していた実母が長期入院することとなり、長男である私がテレワークをしながら、ふたりの世話をすることになりました。実父の認知症症状は在宅生活に支障が生じる状況となり、グループホームへ入居することになりました。入居後すぐに他者への迷惑行為があるため、精神科への入院を勧められました。入院後3週間程で実父は亡くなりました。お世話をする状況が、一緒に過ごす時間をくれたと考えることもありますが、その時々でいろいろな選択を迫られ、決断したことが良かったのか悪かったのか、まだ整理がつきません。
認知症について学ぶことで考えや気持ちを整理していきたい。少しでも同じような苦しみを持つ人の役に立てることがあれば、やっていきたいと思っています。

進行が止まらず…東京都・Fさん 男

妻は7年前、63歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。専門の精神内科で継続して治療してもらって、投薬も続けています。進行が止まらず、当人が一番かわいそうですが、それを見ている私は、体力や疲れはそれほど苦にはなりませんが、寄り添っていると、かわいそうで、精神的に非常に苦しく、最近は自分の限界を感じてきました。

ちゃんと回っているとは言い難い茨城県・Gさん 男

今年に入ってから、さらに父の認知症症状が進んだ感じがあります。それでも本人に自覚はなく、再三の説得にも車の運転をやめようとはしないので、かわいそうですが車のキーを取り上げ、運転させないようにしました。今はレンタルの電動車椅子(介護保険なし)で気分を紛らわしてもらうようにしていますが、とにかく運転を諦められず、何かにつけ、車のキーを家に置いていくように話をもっていこうとします。デイサービスは体験には行きましたが、拒否されてしまいました。
母はパーキンソン病で身体が思うように動かなくなってきていますが、頭はハッキリしています。元々とても働き者だったため、やりたいことが多く、命令的な指示が次々と飛んできて、これはこれで大変です。そして、そのやってほしいことを父に向けた場合、簡単には伝わらないため、さらにストレスをためてしまう悪循環。その母も父とは別に電動車椅子(介護保険利用)をレンタルし、これは母もとても喜んでいる様子です。
そして、私は長男の独り身です。個人事業を行っていて、従業員もいます。ひとりでふたりの病院通いから、自分の仕事の出張まで、田舎には使える制度がほとんどなく、正直、ちゃんと回っているとは言い難い状況です。母も含め、相談にのっていただいたり、話を聴いてもらえる場があると心強いかと思っております。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。