体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2018年7月号(456号)

ー お便り紹介 ー

一人暮らしの限界滋賀県・Dさん 男

両親と子ども(私)一人の家族です。大学進学で家を出て京都に就職し、定年退職後も京都市内で再就職して現在に至っています。昨年11月に父親が亡くなりましたが、父が建てた家を空けられないと言って、愛知県の実家で90歳を過ぎた母がひとりで暮らしています。2年前にアルツハイマー型認知症と診断され、認知機能はかなり落ちてきたものの、ゴミだし、炊事、買い物は何とかできています。月に3回程度、実家へ帰っていますが、そろそろひとり暮らしも限界かなと感じています。

“周徊”への対応で困っています静岡県・Eさん 女

前頭側頭型認知症の夫(50歳代)は道に迷わず帰ってきますが、たまに呑み屋に入って飲んできます。お金は持たせていないので私が後から支払い、今度から入れないでと頼んでいます。いつか警察に捕まるようなことがあったら困ると電話相談をしたら、警察や包括に前もって伝えておくようにと言われ、交番と警察に相談に行ったところ、ここの仕事じゃない、包括に行けと言われ、包括では、自分で気をつけるしかないと言われました。行方不明になってから探すことしかしていないそうです。
高額な探知機を導入するか、本人を閉じ込めるしかないのでしょうか?元気なので一緒に散歩はしますが、3万歩あるいて帰ってきても、ちょっと休んだらすぐ出たがるので、全部付き合うのは無理です。警察はお金を持たせればいいと言いますが、たくさん飲みすぎて大変なことになったり、大けがをしたり、騙されてお金を盗られたこともあります。
認知症で行方不明何万人とニュースになっているのに、警察が全く認知症に関心がないのにも驚きました。地域によるのだと思いますが...。

物を探す一日長野県・Fさん 女

私の母は呆けないようにと、手先を使い頭を刺激する。車で移動中は対向車のナンバーを読み上げるなど、努力をしましたが、68歳でアルツハイマー型認知症と病名をつけられました。16年間、辛い思いをし、亡くなりました。
今年、私は68歳となり、物を探すことから一日が始まり、物を置き忘れて一日が終わっています。今、母の子であることを実感しているところです。これからの自分のために「家族の会」に入りました。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。