体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2020年10月号(483号)

ー お便り紹介 ー

心から夫に感謝熊本県・Cさん 女

夫は57歳で診断を受け、67歳で亡くなりました。今年3月で2年が経ちました。診断当初は、私はこの世の中で一番不幸な妻だと嘆き、悲しんだことが思い出されます。夫を介護中も、何度も投げ出して逃げてしまいたいと思ったことがありました。突然の死を受け入れ難く、いろいろと考えてみると、一番苦しく、悔しく、残念に思っていたのは夫だったのだと気づかされました。自分自身が壊れていくのを認めなければならないこと、本当に辛かったと思います、穏やかで優しかった夫、たくさんの思い出をありがとうございました。心からそう思える日常にやっと戻ることができました。

住み慣れた場所で最期を…島根県・Dさん 男

グループホームに入居して7年目の95歳の義母は、入退院を繰り返すようになり、ホームでのお世話は限界だということで、特別養護老人ホームに移ることになりました。私は住み慣れたホームで最期が迎えられることを望み、ホームの所長も同じ思いを持ってはいました。グループホームの在り方も違いはあるようですが、私の希望はムチャなことでしょうか。

過去の関係性を乗り越えられない岐阜県・Fさん 女

尿もれとたまのウンチの失敗のため、紙オムツになって1年数ヶ月の義母。血管性認知症と診断され要介護1で、まだ、歩行、食事ともになんとか自分ででき、週2回のデイサービスを楽しみにしています。あんなにしっかりしていた義母が、本当に赤ちゃんのようになってしまいました。私には息子が2人いますが、3人目は女の子を授かったのかもしれません。
お嫁さんになってからの24年間、認知症になってからの5年間の、ふたりの関係性をなかなか乗り越える事ができないので、3人目の赤ちゃんをかわいいと思えず、日々悩んでいます。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。