体験談〜本人の声、家族の声〜

認知症の人と家族の会 
会報誌「ぽ〜れぽ〜れ」

2022年10月号(507号)

ー お便り紹介 ー

在宅に切り替えて笑顔大阪府・Aさん 女

80歳台の実母はサービス付き高齢者向け住宅に5年、特養に3年入居していましたが、コロナ禍で体調を崩すことが多くなり、何度かの入退院を経て、看取りを前提として在宅介護に切り替えました。私は正社員として就業中のため、介護休暇をとりました。その当時利用した介護サービスは訪問介護、訪問看護、訪問入浴。在宅になり、看取りどころかだんだんと元気になったため、介護休業を1カ月残して仕事復帰しました。介護と両立するために、看護小規模多機能型居宅介護を利用し、半年余り介護しました。しかし、心身の衰えの流れに抗うことはできず、昨年10月に老衰で他界しました。重度の認知症で私のこともわからず、会話もできない状態でしたが、在宅に切り替えてからは笑顔もよく見られ、楽しい生活を送ることができたと思います。

プレッシャーと孤独を感じ…神奈川県・Bさん 男

老人ホームで介護福祉士として働いています。今年、祖母が体調を崩してから祖母の介護もするようになり、家でも介護をしています。家族となると仕事とは違い、なかなか思うようにできないのと、周りからは介護士なのだからちゃんと看なさいと言われ、プレッシャーと孤独を感じています。
職場では、国の人員基準が見直されたのを機に、職員を少なくし、AIを導入することになり、ただでさえ少ないのにと、もどかしさを感じています。認知症の方やご家族や介護士さん、当事者の皆さんが何を思い、何を必要としているのか、家族として、職場でという狭い視野でなく、もっと広い視野で知りたいし、当事者の皆さんと関わってみたいと思います。

周りの方の理解があればこそ和歌山県・Dさん 女

地域包括支援センターの仕事に縁ができて16年目となりました。子育て中、母には大変お世話になりました。私が子どもの時には教育熱心で、よく叱られていましたが、孫にはとても優しく接してくれていたのです。成長して預けることもなくなったある日、母が会計の役割を持っていた会から、振り込みされていないという電話を受けました。仕事では理解しつつも、戸惑いがありました。アルツハイマー型認知症という病気、水頭症という病気はあれど、 おかげさまでその後の脳梗塞をきっかけにデイサービスに通うことになりました。6歳上の父が母と二人の生活を維持するのには、周りの方の理解があってこそです。隣町からエールを送りながら、私もライフワークバランス、悔いのない人生を歩んでいきます。

全員高齢者熊本県・Fさん 女

夫と夫の母、私と私の母の4人暮らし。全員高齢者です。両母とも要介護認定を受けています。認知症の実母と糖尿病の義母、夫の助けはあるものの、介護は私が主に行っています。実母は寝ない日があり私も寝ずに介護。義母にも認知症の症状が出てきており、自分の限界を感じています。

※ 会員様からのお便りを原文のまま掲載しております。