クリップ
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ふつうの暮らしを支える仕組み
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本人の意思を尊重する国
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「寝たきり」にさせない社会
概要
ー クリップ1 ふつうの暮らしを支える仕組み ー
老年科医の大西丈二さんが、福祉先進国デンマークにおける高齢者福祉の現状をレポートします。ネストヴェズ市では、2009年6月までにすべての介護施設(プライエム)が廃止され、今までと変わらない暮らしができるよう支援する取り組みが進められています。そのひとつが「介護付き住宅(プライエボーリ)」の充実。自宅での生活と変わらない環境を整え、「やってあげる介護」から、本人の力を生かすケアへの転換を目指しています。認知症に限らずさまざまな病気の人たちがそれぞれの居場所を見つけ、お互い支えあって暮らしているのです。(09:51)
ー クリップ2 本人の意思を尊重する国 ー
デンマークは収入のおよそ半分が税金という、高負担・高福祉の国。デンマークでは親の世話を子がするべきという考え方はほとんどなく、高齢になったり病気になったりした場合は国が生活をバックアップします。医療も介護サービスも無料で受けることができますが、国民の多くは必要なときに必要な分だけ受けようと心がけています。自分の生活を自分で選択できるような仕組みが出来上がっているのです。(05:41)
ー クリップ3 「寝たきり」にさせない社会 ー
デンマークは、福祉が充実した国です。認知症で仕事を失った人には、国から年金が支給され、自宅で過ごす人には24時間体制で見守る仕組みを整えるなど万全の体制でバックアップしています。さらに、周辺症状(BPSD)が出た場合、地域の病院では薬で押さえつけるのではなく、環境の調整と対応の仕方で症状の改善を図っています。いわゆる「寝たきり」の人は見られません。延命治療を受けるかどうかなどは自分で決定し、自分自身が受けたい医療を受けたいときに受ける。そんなスタイルが浸透しているのです。(10:26)
【2010年6月14日公開】
出演者
大西 丈二(おおにし・じょうじ)さん
国立長寿医療研究センター 老年内科医長
名古屋大学医学部卒。医学博士、老年病専門医、認知症専門医。
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