「認知症専門医」のいる医療機関を受診しましょう
認知症の早期診断・早期治療のため、「おかしいな」と思った時は、早めに医療機関に受診してください。まずはいつもの様子を知ったかかりつけ医に相談するのがよいでしょう。かかりつけ医がない場合、または診断が難しい場合など、専門的な診療が求められる場合、お近くの専門医に受診するとよいでしょう。認知症専門医は、日本認知症学会および日本老年精神医学会がそれぞれ認定しており、両学会合わせて約2000人の医師が登録されています(2021年11月現在)。精神科、神経内科、老年科などには認知症専門医がいることが多く、「認知症センター」とか「もの忘れ外来」などと標榜されている場合もあります。また大半の認知症専門外来には、CT(コンピュータ断層装置)、MRI(核磁気共鳴コンピュータ断層装置)など、正確に診断するための脳の画像検査機器が備えられていたり、大きな病院との連携で速やかに紹介受診できるように整えられています。認知症専門医は前述の日本老年精神医学会と日本認知症学会のホームページからも、認知症専門医のいる医療機関を検索することができます。
公益社団法人日本老年精神医学会
http://www.rounen.org/
日本認知症学会
https://dementia-japan.org/
また厚生労働省は、各地域における認知症診療の中核施設として、全国約250カ所に 「認知症疾患医療センター」を設置しました。認知症専門医が鑑別診断や治療を行うほか、精神保健福祉士などの専門の相談員による医療福祉相談や地域の保健 医療・福祉関係者を支援する体制が整えられているので、ここに相談してもいいでしょう。
全国の認知症疾患医療センター(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001310210.pdf
直接、認知症専門外来を受診する方法もありますが、持病や健康管理でかかっている 地元の医師に相談し、そこから認知症専門外来や認知症疾患医療センターなどに紹介してもらう方法もおすすめです。かかりつけ医であれば、医師会の会員が多いので、地域の認知症専門医をよく知っているはずです。また患者や家族も気になることを相談しやすいですし、ふだんの様子をよくわかっているので、早い段階から認知症の兆候に気づいてもらえる可能性も高くなります。