認知症の基礎知識
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認知症は予防できますか?

決定的な方法はありませんが、生活習慣病の予防は認知症予防にもつながります

アルツハイマー型認知症は、ある日突然発症するわけではありません。脳の小さな変化が少しずつ進行し、かなり進んだところで、疑いようもない認知症の症状が出るようになります。

最近注目されているのは、このはっきりした症状が出る一歩手前の段階。これを「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と呼び、程度の差こそあれ、誰にでもあるとされています。この「認知症の予備軍」の時期に運動などの対策をとることで、発症を予防したり、遅らせたりすることが可能と言われており、盛んに研究が行われています。早めの発見と対策が肝心。なにかおかしいと思ったら、医師の診察を受けることが大切です。

また認知症の中でも血管性認知症は、動脈硬化などによる脳梗塞など血管の病気が原因なので、動脈硬化を防ぐことが認知症の予防にもなります。動脈硬化は生活習慣と関わりが深く、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、運動不足などが危険因子となります。バランスのとれた食事や適度な運動を心がけましょう。

なお、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、運動不足といった「生活習慣病の危険因子」は、アルツハイマー病も生じやすくさせることが疫学調査によって明らかになっています。
今はまだ認知症予防に決定的な治療法はないとしても 、バランスのとれた食事や適度な運動は、認知症が生じる可能性を低くするばかりでなく、心筋梗塞や脳梗塞、がんなど多くの病気のリスクも減らします。広い意味での健康維持と捉えて、取り組んでみましょう。

たとえば「歩きながら引き算をする」「しりとりしながらラジオ体操をする」というように、運動に脳の活動を加える「デュアルタスク」は、とくに認知症予防に効果があるとされています。
食べものの代表格は魚です。青背魚にはDHAEPAが豊富に含まれており、脳の機能を保つ働きがあります。
ほかにも脳トレや社会参加など、ストレスを感じないものなら積極的に試してみるといいでしょう。