認知症の基礎知識
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認知症は心の病気ではありません

心の病気ではなく、脳が病的に変化した状態です

認知症は心の病気ではありません。脳の細胞が死滅したり脳の働きが悪くなるなど、脳が病的に変化することによって、何かを記憶したり、場所や人などを認識したり、物事を判断、推測するといった知的機能が低下する病気です。

これらの症状は認知症の「中核症状」と呼ばれています。また、徘徊や妄想、幻覚、興奮などといった「BPSD(行動・心理症状)」があります。BPSDは、「Behavioral(行動の) and Psychological(心理上の) Symptoms(症状) of Dementia(認知症)」の略で、「認知症による行動や心理の症状」を指します。BPSDの中でも、意欲低下や不眠などは、やる気がないと捉えられたり、心の病気と考えられることがあります。しかし知的機能の病的な障害によってこうした症状が現れるのであって、やる気ばかりのことではなく、心の病とも異なります。

記憶したり、認知したりする能力は病気の進行とともに低下しますが、喜怒哀楽などの感情が失われるわけではありません。「ぼけてしまえば本人は楽だ」「なにを言ってもわからない、傷つかない」などということはなく、認知症の人は、周りに迷惑をかけていることや、自分がどう見られているかをしっかり感じとっています。まず家族などの周りの人が、認知症に対する正しい知識を持って、本人に接することが大切です。

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