認知症の基礎知識
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認知症の人に対する話し方のコツ

「ゆっくりわかりやすく」話しましょう

認知症になって脳の機能が低下すると、会話をしなくなることがあります。
引きこもりがちになることで、さらに会話する機会が減ってしまうことも。
会話の量が増えれば脳が活性化され、認知機能にもいい影響を及ぼします。
さまざまな人と交流することで、生活にハリが出て、気持ちも明るくなります。

認知症の人には積極的に声をかけ、話を引き出すようにしましょう。その際、理解しやすいようにゆっくりと、わかりやすく話すのがコツです。

また、認知症の人は、いくつものことを同時に理解することが苦手です。たとえば「さっき外出から帰ったから、手が汚れているかもしれませんね。手を洗いましょう」と言うと、「外出」「汚れ」「手を洗う」と三つの話がでてくるので混乱しがちです。こういう場合は短く「手を洗いましょう」と声をかければ、理解しやすくなります。

認知症の人は、最近の言葉が苦手なことがあります。年齢にもよりますが、たとえば「スマホ」と言わず、「電話」と言ったほうが、すんなり理解されやすいものです。出身地の方言で話すと、会話が引き出せることもあります。故郷のなまりには、いくつになっても親しみを感じるようです。

子どもの頃に遊んでいたベーゴマなどのおもちゃや、若い頃の写真、好きだった歌などを話題にするのもいいでしょう。認知症になっても昔の記憶は比較的しっかりと保たれているため、会話の糸口になるだけでなく、脳の活性化が期待できます。
これは認知症の予防や進行を防ぐために行われる「回想法」でも利用される手法です。

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